研究課題/領域番号 |
18K12288
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 桃山学院大学 (2022-2023) 神戸大学 (2018-2021) |
研究代表者 |
南郷 晃子 (中島晃子) 桃山学院大学, 国際教養学部, 准教授 (40709812)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 領主説話 / 藩祖 / 家祖 / 移行期 / 怪異譚 / 神霊 / 地域伝承 / 写本 / 地域写本 / 領主権力 / 近世説話 / 城 / 御家 / 地域社会 / 怪談 / 領主 / 由緒 / イエ / 武家説話 / 地方領主 / 武家 / 松江藩 / 松山藩 / 津山藩 / 体制移行期 / 地域創生 / 城主 / 説話 / 伝承 / 地域共同体 / 池田長発 |
研究成果の概要 |
本研究は、地域の写本を中心に、体制移行期の地域領主関連説話の形成・変容および説話による地域社会の創生について考察を進めるものであった。断絶した武家と紐づけられた女の「祟り」の物語や城内に残る怪談など、地域写本に領主関連説話が多く含まれることを俎上にあげ、今現前にある場の景観に地域における「歴史」の語りが重ねられ、さらにそれらの基層に神霊の物語があるという重奏性を持つ説話が含まれることを説話の意味内容とともに明らかにした。これら「重奏性」のうちには、技術者や武家によるアイデンティティや利権の獲得といった、社会体制の変容に伴う運動があることもまた本研究を通じ明らかにしたことである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで近世説話の形成と変容と社会変動との関係は、抽象的なものにとどまるか、あるいは宗教活動と紐づけられる傾向があった。しかし本研究を通じ、具体的な技術者集団と説話との相関関係の存在を明確にしたことで、説話が人々の体制への働きかけとしての意味を持つこと、またそういった営みが物語を作るという構造を提示することができた。また、十分にその意義が認められているとは言い難い、地域社会に流布する写本の重要性を、歴史認識を含む地域のアイデンティティ形成、そこに含まれる説話の持つ独自性という点から明らかにすることにできた。
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