研究課題/領域番号 |
18K12296
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
|
研究機関 | 青山学院大学 (2022) 名古屋市立大学 (2020-2021) 立教大学 (2019) 国文学研究資料館 (2018) |
研究代表者 |
滝澤 みか 青山学院大学, 文学部, 准教授 (20778683)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 軍記物語 / 保元物語 / 平治物語 / 流布本 / 教訓書 / 室町 / 戦国 / 義貞軍記 / 君慎 / 奈良絵本 / 教訓性 / 古注釈書 / 保元物語大全 / 平治物語大全 / 16世紀 / 教訓 / 改作 / 偽書 / 仮託 / 模本 / 絵巻 / 版本 |
研究成果の概要 |
16世紀における軍記物語の改作と教訓書との関連性を考えるため、強い教訓性を持つ流布本『保元物語』『平治物語』を取り上げ、その改作の実態を明確にしつつ、教訓書における話の作り方とも無関係ではない可能性を指摘した。また、近世に作られた注釈書を見ると、本文成立時の意図とはずれが生じていることを明らかにした。すなわち、16世紀以降の作品の読みを捉えていくことは、教訓性の持続の問題を考えることにも繋がると言える。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
流布本『保元物語』『平治物語』の改作の実態を捉えると、室町末期・戦国期という動乱期において、物語性よりも守るべき価値観を示す文学が必要であったのではないかと考えられるが、その本文の改作の意図は後代に必ずしも伝わっていたとは考え難い。それは近代の戦時下において、軍記物語が当時の教育に都合の良いように読み替えられていた姿勢とも無関係ではないと考えられ、こうした軍記物語と教訓・教育との関係性を16世紀以降も含め通史的な視野も持って捉えていくことにより、〈いくさ=戦争を書く文学〉の存在の在り方や、なぜ人はいくさを書いた物語を読むのかという問題を解き明かすことにも繋がると考えられる。
|