研究課題/領域番号 |
18K12306
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 神戸大学 (2020-2021) 国文学研究資料館 (2018-2019) |
研究代表者 |
有澤 知世 神戸大学, 人文学研究科, 助教 (70816313)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 江戸戯作 / 考証学 / 山東京伝 / 19世紀 / 菅原洞斎 / 人的交流 / 絵画 / 画師姓名冠字類鈔 / 黄表紙 / 考証 / 合巻 / 読本 / 野晒模様 / 草双紙 / 谷文晁 / 屋代弘賢 / 松平定信 / 式亭三馬 / 挿絵 / 戯作 / 俗文芸 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、考証学と戯作との関わりを明らかにし、近世後期の文化・社会のなかに戯作を位置づけることである。 具体的には、秋田藩お抱え絵師の菅原洞斎が主催した古書画展観会に注目し、洞斎が会の成果を集積した『画師姓名冠字類鈔』や、参加者の随筆等を手掛かりに、19世紀の知識人の間で、古書画に関する知見が蓄積する様相を明らかにし、そのネットワークの中で戯作者山東京伝の知見を位置づけた。 また京伝は合巻作品で歌舞伎舞台や役者、遊里を描いた古画の縮図を掲載することで、彼の考証テーマのひとつであった元禄風俗を紙面に表現すことを指摘し、「古画の模写」と「元禄風俗」を、京伝の戯作と考証を繋ぐ鍵語として位置付けた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
戯作と考証学の関係についてはこれまで、戯作者の執筆した考証随筆と戯作作品との関係について検討されることが多かったが、様々な社会的階層の人々が含まれる考証趣味のネットワークの様相を明らかにすることで、当時における共通の関心や、共有されている知識・情報を解明することができた。 従来美術史の文脈で検討されてきた、19世紀知識人らによる古書画展観会とその周辺資料に着目することで、俗文芸の集大成ともいえる戯作作品と、従来注目されてこなかった雅の領域における戯作者の活動との関連性を明らかにし、近世後期における文化・社会の中に戯作を位置づけ、近世後期における考証という営為の在り方を解明した。
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