研究課題/領域番号 |
18K12311
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
鳥谷 まゆみ 北九州市立大学, 外国語学部, 教授 (00580507)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 小品文 / 中国 / 口語文 / 中華民国 / 日本 / 国語教科書 / 投稿雑誌 / 夏べん尊 / 文学形式 / 文章教育 / 周作人 / 中国現代文学 / 国語教育 / 出版メディア / 教育 / メディア / 台湾話文詩 / 台湾 / 20世紀東アジア文学 / 言文 / 身体 / 性 / 越境と葛藤 / 中国近現代文学 / 淪陥期 / 1940年代 / 打油詩 / 国文教育 / ジャーナリズム / モダニティ / 日中戦争 / 新聞メディア |
研究成果の概要 |
本研究によって、20世紀に中国小品文が教育、文学、出版の発展に伴って、広く少年少女に浸透し活用されたことが明らかとなった。中国では、日本小品文にみる少年少女の習作といった特徴のみならず、近代教育の一環としての国語教育にも活用され、それを受けた彼らは校内誌や雑誌の投稿欄に投稿して、その写実描写の正確さや内容の面白さを他者と競った。少年少女は主体的に自らの内面を表現しては他者の内面にも思いを寄せるようになり、いっぽう、大人も若者の思考を知りうるようになったのである。小品文の著者の中には、教師や文学家、政治家として活躍する者も出てきた。中国小品文が社会や文化、人々に与えたインパクトは小さくない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、中国の多様な領域で漠然と用いられてきた用語「小品文」のひとつに日本小品文が直接関係していたことを端緒として(鳥谷2013)、それが20世紀中国の文学、教育、出版メディアの発展に伴って、広く少年少女に浸透し活用されていたことを明らかにした。その越境的特徴は、まさに現代中国の「近代」の歩みのひとつを示唆するものである。しかしながら、中華人民共和国の誕生とともにそれは突如として姿を消すこととなった。本研究によって、埋もれつつある20世紀中国の近代化のひとつの様相に光を当てえたと言えよう。また、日本小品文が広く東アジアに伝播した可能性を示した点においても学術的意義は小さくない。
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