研究課題/領域番号 |
18K12318
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
結城 史郎 富山大学, 学術研究部人文科学系, 准教授 (00757346)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 女性表象の脱神話化 / 文芸復興 / ジェイムズ・ジョイス / 文芸復興運動 / J. M. シング / アイルランド / セクシュアリティ / 神話 / 女性表象 / W. B. イェイツ |
研究成果の概要 |
1890年代から1920年代にかけてのアイルランドでは、「文芸復興」と呼ばれる豊穣な文学運動が開花した。本研究の目的は、この運動がジェイムズ・ジョイスに与えた影響を明らかにするものであった。ジョイスは自国の狭隘な自民族中心主義の文学に反発し、大陸のモダニズムの運動に共鳴したとされるが、その文学観の基礎は同時代のアイルランドで培われたはずである。国家をめぐる女性表象の脱神話化を中心に、文芸復興運動とジョイスの具体的な関りを論じた。そのためW. B. イェイツ、J. M. シング、レイディ・グレゴリーを中心に、ジェイムズ・ジョイスの連動を探り、対立というこれまでの通説を覆すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は国家をめぐる女性表象の脱神話化をめぐり、文芸復興家とジョイスの連動を明らかにした。学術的意義や社会的意義として、以下の3点を挙げたい。まず、国家としての女性表象の脱神話化という観点に即し、文芸復興家とジョイスの連動を論じることができた。次に、ジョイスの作品におけるモダニズムという大陸の文学からの影響と思えるかなりの部分も、文芸復興家の文学と軌を一にしていることを明らかにした。さらに、文芸復興家とジョイスの連動という観点により、狭隘な国民文学として定立されてきた文芸復興家たちの作品も、むしろ大陸的な視座を取り込んでいたことを析出した。
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