研究課題/領域番号 |
18K12327
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 実践女子大学 (2019-2022) 東京農業大学 (2018) |
研究代表者 |
諏訪 友亮 実践女子大学, 文学部, 講師 (30633408)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | W・B・イェイツ / アイルランド自由国 / ナショナリズム / ファシズム / 民主主義 / モダニズム / イェイツ / アイルランド文学 / 青シャツ隊 / 国民国家 / セクシュアリティー / 同性愛 / 詩 / 対抗的国民性 / 近代 / 反近代 / ジェイムズ・ジョイス / ディアスポラ / フランク・オコナー / フランシス・スチュワート / ポストコロニアル研究 |
研究成果の概要 |
W・B・イェイツを中心に、アイルランド自由国期における作家たちの代替的な国民像の提示について研究を行えた。イェイツにおいて、新たな国民とは性的表現に対する検閲をしない、自由な創作活動を許す価値観を持つ人々とされた。一方で、そうした検閲を支持する大多数のカトリック系国民の自由を制限し、自らが属す少数派アングロ・アイリッシュに好意的な、ファシズムに類似する権威主義政府の統治を認めるものでもあった。
期間内に、関連する研究として査読付き論文5本、研究発表4本(単独3本、共同1本)の成果をあげた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでアイルランド史において真剣には見てこられなかったアイルランドのファシズムを、近年の資料を参照しながら改めて研究の俎上に載せ、反政権と議会制民主主義批判で共通するイェイツとアイリッシュ・ファシズムの密接な関係を指摘した点は、アイルランド文学・文化研究上の成果だと言える。
戦間期のファシズムは民主主義が不安定化するなかで登場した。民主主義の不確定性が増す現代にも通じる20世紀前半の民主主義の危機に対して、アイルランドの作家が示した応答を議論することは、文学と民主主義の関係をめぐる問題の解明に貢献するものである。
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