研究課題
若手研究
本研究は20世紀前半のアルスター(アイルランド島北東部)の文学を顧みることを主眼とし、なかでも南北分割や国境の画定といった出来事と当時の文学作品の関連性を検証するものであった。出身地や宗教的出自等が異なる作家の作品を複数取り上げ、「境界」意識の表象について多角的に論究した。各作家の例を考察することで、南北分割後のアルスター、そして過渡期のアイルランド島の文学の一面を照射することを試みるものであった。
本研究の学術的意義は、これまでの文学史の記述において紙幅を割かれることの少なかった20世紀前半のアルスターの文学(おもに詩と小説)について、部分的ながら照射することができた点にある。1920年代に既成事実化した南北アイルランド国境、そしてその近辺で生活する人びとの光景が文学作品にどのように表象されていたかについて、考察を深めることができた。また、William Butler Yeats の後の世代を代表する詩人 Patrick Kavanagh について、さらに研究活動を進めることができた。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 図書 (2件)
ABEI Journal: The Brazilian Journal of Irish Studies
巻: 23.2 ページ: 105-118
立命館英米文学
巻: 29 ページ: 19-33
40022178775