研究課題/領域番号 |
18K12335
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
渡部 智也 福岡大学, 人文学部, 准教授 (80612845)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ディケンズ / 眠り / 夢 / 不眠 |
研究成果の概要 |
本研究では、チャールズ・ディケンズの作品に描かれる眠り(あるいは夢)の描写を分析し、各作品におけるそれらの描写の多様な役割を明らかにした。具体的には、中期『マーティン・チャズルウィット』において、殺人者のジョーナスと被害者のティッグとの関連を示唆するものとして両者の夢が、中後期の『荒涼館』において、バケット警部の人間性とその限界を示唆するものとして眠りの描写が、そして後期の『大いなる遺産』において、主人公ピップの成長と、見果てぬ夢からの解放を示すものとして、眠っているときに見る夢の描写が、それぞれ巧みに用いられていることを明らかにし、研究発表や雑誌論文、図書といった形でその成果を公表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
チャールズ・ディケンズは、人間の眠りや夢に強い関心を持ち、それらを作中で活用していたと考えられる。一方で、睡眠障害の描写で知られる『ピクウィック・ペーパーズ』も含め、これまでのディケンズと眠りに関する研究はディケンズの前期作品に集中していた。本研究課題の遂行によって、ディケンズが中期以降の作品においても眠りや夢をさまざまな形で用いていることが明らかとなり、ディケンズの眠りへの関心が一時的なものではなく、作家人生全体に関わるものであり、より深い理解に繋げるためには更なる研究が必要なテーマであることが確認できた。
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