研究課題/領域番号 |
18K12339
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 中央大学 (2020-2021) 東京大学 (2018-2019) |
研究代表者 |
前之園 望 中央大学, 文学部, 准教授 (20784375)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | アンドレ・ブルトン / シュルレアリスム / ポエム=オブジェ / フランス20世紀詩 / プロジェクションマッピング / 詩的描写 / ポエム=オブジェ / フランス文学 |
研究成果の概要 |
本研究は、アンドレ・ブルトン(1896~1966)が1930年代半ばから実践する、詩的言語と日用品を同一平面上で組み合わせるポエム=オブジェ作品に固有の特性を分析し、その実践がブルトンの詩学の変遷の中でいかに重要な役割を担っていたかを明らかにした。 1930年代半ば、ブルトンは詩的言語で物質世界に干渉し新たな詩的現実を出現させる特殊な詩的描写の可能性を模索する。ポエム=オブジェの誕生はちょうどこの時期に重なり、ポエム=オブジェの実践は、その詩的描写を深化させるための実験の場だったのである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アンドレ・ブルトンは20世紀前半に世界的に展開されたシュルレアリスム運動の中心人物であり、彼の活動の基盤となる詩学には同時代の文学・芸術に通底する一側面が凝縮されている。本研究は、ブルトンがポエム=オブジェの制作を通してプロジェクションマッピング的感性に基づく詩的描写の詩法を深めていたことを実証的に示す。これは21世紀的な感性が20世紀半ばに詩の領域で誕生していた、つまりは現代的感性が技術に先行して文学の領域で発生していたということである。AIの深化、メタバースの展開など、技術面の発展ばかりが注目される現代において、技術と感性の関係性を再検討する契機となりうる視点を本研究は提供している。
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