研究課題/領域番号 |
18K12386
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
工藤 和也 龍谷大学, 経済学部, 准教授 (30736096)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 不確定代名詞 / 重複 / 語彙化 / 閉鎖引用 / 慣習的推意 / 不確定代名詞重複表現 / 形式意味論 / 分散形態論 / 重複形容詞 / 重複表現 / 不特定の単数 / 日本語 |
研究成果の概要 |
本研究は、「誰々」や「何々」などの日本語の不確定代名詞重複表現について、現代語では主に単数解釈と複数解釈の2種類に分類されることを明かにし、歴史的に前者は後者からの語彙化によって成立したという仮説を提出した。さらに、単数解釈の不確定代名詞重複表現について、現代語ではある種の引用節内でのみ認可されるとする先行研究に対し、関西方言では、当該表現の分布が必ずしも引用節内にとどまらないことを指摘し、当該表現の認可には引用節という統語的な環境ではなく、慣習的推意(conventional implicature)の有無という意味的な要因が関わっていることを主張した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、生成文法の枠組みに従って、日本語の不確定代名詞重複表現の意味的および統語的特徴を明らかにすることを試みた。本研究により、日本語の不確定代名詞重複表現が持つ意味的特徴を客観的に記述するだけでなく、人間言語において「重複」という操作が持つ普遍的機能の一部を解明することができた。さらに、当該表現の歴史的成立過程を明らかにすることにより、なぜこのような重複表現が様々な意味を持ちうるのかという形態論的に重要な課題に一つの理論的示唆を与えることに成功した。
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