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日本語諸方言におけるイントネーションの対照研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K12395
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分02060:言語学関連
研究機関大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所

研究代表者

佐藤 久美子  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, プロジェクト非常勤研究員 (60616291)

研究期間 (年度) 2019-02-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワード自然談話 / データベース / 方言 / 無アクセント / イントネーション / 茨城方言 / 無アクセント方言 / 茨城県高萩市下君田方言 / 音調 / アクセント / 平坦音調 / 日本語諸方言 / 日琉諸語 / 疑問・不定表現 / 類型論 / 不定語 / 日本語方言 / 対照研究
研究開始時の研究の概要

文全体の声の抑揚であるイントネーションの実現には、文を構成する個々の語のアクセントが深く関わる。このことから、各言語のイントネーションパターンは、その言語の有するアクセント体系によって特徴付けられると考えられている。しかし、その実態はまだ明らかになっていない。日本語には様々なアクセント体系を有する方言が存在することから、多様なイントネーションパターンが観察されることが予想される。このような日本語の持つ利点を生かし、本研究では、日本語諸方言の対照を通して、文のイントネーションの実現に語のアクセントがどのように関わっているのかを明らかにする。

研究実績の概要

昨年度に引き続き、茨城県高萩市下君田地区での対面調査を行った。無アクセント方言である茨城県高萩市下君田方言の高齢層話者二名の自然談話データ2時間分を収録し、その一部をデータベース化して一般公開した。公開したのは音声・方言テキスト・標準語訳テキストの三つである。発話単位に区切った音声に、方言テキストと標準語訳テキストを紐づけている。また、標準語訳テキストには、フィラーや言い淀みなどの談話情報をタグとして付している。
本研究ではこれまでに、文レベルにおけるイントネーションの分析に基づいて、(i)下君田方言の基本のピッチパターンが山型(High-Low-High)であり、最後のHighが消失する場合があること、(ii) (i)のピッチパターンが生じる最小のドメインは文節であること、(iii)基本のピッチパターンが複数の文節にまたがって生じるドメインの拡張現象が見られることを明らかにしている。
ドメインの拡張がどの程度許容されるか、その現象の発生条件がどのようなものであるかという問題は未だ解明されていない。それを解明するためには、これまでの文レベルの分析だけでなく、文を超えた談話レベルの観察が必須である。昨年度・今年度に収集した自然談話データを用いた予備的な調査は、話者間の発話ターンとフィラーがピッチ変動と連動している可能性があることを示唆している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現地調査の日程調整が難しく、予定通りにデータの収録が行えなかったため。また、方言テキストの精緻化を目指し、文字化の規則を再考したため、データ整備に遅れが出た。

今後の研究の推進方策

本研究では、茨城県高萩市下君田方言におけるドメインの拡張現象について、「拡張がどの程度許容されるか」「拡張の発生条件はどのようなものであるか」という二点を明らかにする。そして、談話理論に基づいて、ドメイン拡張の仕組みを説明する。具体的な方策は以下の通りである。
【1. 自然談話データのラベリング】日本語の韻律ラベリングスキームX-JToBIを援用し、1時間分の自然談話データのラベリングを行う。その過程で、基本のピッチパターンである山型(High-Low-High)が生じるドメインを特定する。その結果を整理し、ドメインの拡張が起こる場合、どの程度の長さ(文節数)が許容されるのかを明らかにする。
【2. 拡張の発生条件の考察】ドメイン拡張の条件を検討するため、談話情報である「発話ターン」と「フィラー」に着目し、拡張が談話のどのような局面で生じているのかを明らかにする。そして、ドメイン拡張が情報構造におけるトピックとフォーカス、前提と断定という構成素の表示の一つである可能性を探る。
【3. 検証】当該方言の新たなデータ30分分を収録し、仮説の検証を行う。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2022 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 天草市本渡方言における不定語の音調と不定語を含む句・節の音調について2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤久美子
    • 雑誌名

      坂口至教授退職記念日本語論集

      巻: 1 ページ: 149-163

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ワークショップ趣旨説明「日琉諸語の疑問・不定表現をめぐる韻律的現象: 類型論的枠組みの提案と通時的考察」2021

    • 著者名/発表者名
      佐藤久美子
    • 学会等名
      日本言語学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 日琉諸語の疑問・不定表現における韻律的現象の類型化の提案2021

    • 著者名/発表者名
      佐藤久美子
    • 学会等名
      日本言語学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 不定語と不定語を含む句・節における音調の実現について-西南部九州二型アクセント方言の対照-2021

    • 著者名/発表者名
      佐藤久美子
    • 学会等名
      日本音声学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 茨城県高萩市方言における不定語を含む文の音調特徴2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤久美子
    • 学会等名
      国立国語研究所プロソディー研究班オンライン研究発表会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] プロソディー研究の新展開2022

    • 著者名/発表者名
      那須昭夫、田中真一、佐野真一郎、ギユモ セレスト、小川晋史、広瀬友紀・伊藤愛音、佐藤久美子、松浦年男、山田高明、窪薗晴夫、松森晶子、白田理人、セリックケナン、青井隼人、北原真冬、田嶋圭一、米山聖子
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      開拓社
    • ISBN
      9784758923637
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [備考] 国立国語研究所 危機言語データベース

    • URL

      https://kikigengo.ninjal.ac.jp

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 国立国語研究所 危機方言データベース 談話 茨城県高萩市下君田方言

    • URL

      https://kikigengo.ninjal.ac.jp/data/danwa/detail?lang=ja&id=7

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2018-04-23   更新日: 2024-12-25  

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