研究成果の概要 |
海外に居住する「日本にルーツをもつ子どもたち」が, 継承日本語を学ぶ場としては, 教育機関や家庭のほか, 保護者が運営する小規模なグループが挙げられるが, その実態についてはこれまで明らかにされていなかった. 本研究では, アラブ首長国連合, オーストラリア, 韓国における保護者主体の日本語学習コミュニティにおいて参与観察, 及び保護者に対するインタビューを実施し, こうしたグループでどのような教育活動が行われ, どういった運営上の課題に直面しているのかを明らかにした上で, 子どもたちの言語使用について, その主体性, 創造性について検討を加えた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は, 海外在住の「日本につながる子ども」が, 継承語である日本語の育成を目指すコミュニティへの参加を通して, どのように日本語を習得するのかを調査したものである. 子どもたちの継承語教育に関しては, 日本人学校や補習校を対象とした調査が多く, 保護者主体のグループについては, その実態が不明であったが, 本調査により, グループにおける教育活動, 保護者が直面する課題, また子どもたちの多言語使用について明らかにすることができた.
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