研究課題/領域番号 |
18K12484
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 山口学芸大学 (2022) 海上保安大学校(国際海洋政策研究センター) (2018-2021) |
研究代表者 |
二五 義博 山口学芸大学, 教育学部, 教授 (60648658)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | CLIL(内容言語統合型学習) / 教科横断的指導 / 多重知能(MI)理論 / コミュニケーション能力の育成 / 小学校英語教育 / 海外の外国語教育 / 実技教科 / 多重知能理論 / MI(多重知能)理論 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、「2020年に始まった小学校英語教科化に伴い、文部科学省が英語教育と他教科との連携を強調する中で、実技教科内容(体育・家庭・図画工作・音楽)を生かす小学校英語教育を行うことが、児童の英語学習意欲を高める上でも、将来に役立つ実用的なコミュニケーション能力育成を図る上でも効果的であることを理論的・実践的に示すこと」である。 この研究目的に沿い、研究の5年目である当該年度においては、4年目の研究に引き続き、CLIL(内容言語統合型学習)に関する理論面および実践面の情報収集に努めた。それは文献研究にはとどまらず、海外に積極的に出て行くことにより、最新の理論や実践の研究動向を探ることである。長らくコロナ禍のため海外での実地研究は延期となっていたが、当該年度の8月にようやくフィンランドでのCLIL研修に参加することができた。この研修においては、ヨーロッパの著名なCLIL研究者と意見交換の場が持て、CLILに関する理論面および実践面における日本との類似点や相違点を学んだ。また、フィンランドの公立小学校を実際に訪問して、実技教科では音楽や図画工作を視察することにより、日本がこれらの実技教科を取り入れた小学校英語教育を行う場合の参考とすることができた。 その一方で、日本においては、岡山県の公立小学校の教員と連携して、小学校2年生を対象とした図画工作CLILの授業実践を行い、授業に関わった教員のインタビュー調査と児童へのアンケート調査の両側面からの分析を行い、共同で学会口頭発表をした。また、前年度より、明治時代や昭和初期の小学校英語の国定教科書研究を継続して行い、当該年度では図画や体育などの実技教科の内容も含む分析結果を学会にて口頭発表した。 加えて、以前視察していた韓国の小学校英語の授業をCLILの具体的指導法であるMIの視点から分析し、その研究成果を紀要にて公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、「海外や日本のCLILの事例(現在および過去)を参考にしながら、実技教科を中心とする他教科内容を生かす小学校英語教育を行うことが、児童の英語学習への動機づけや、将来に役立つ実用的なコミュニケーション能力育成につながることを理論的・実践的に示すこと」を目指しているが、5年目の研究としては、おおむね順調に進んだ部分と完全に当初の予定が狂った部分とがある。 日本のCLILの過去の事例(明治から昭和初期の小学校英語教育のCLIL)に関しては、文献研究が主であるため、ほぼ予定通りに研究を進めることができた。 その一方で、コロナ禍のため、海外のCLIL授業の視察は長期にわたって実施できなかった。同時に、主に海外の学会や研修に参加することによる、ヨーロッパやアジアにおけるCLILに関する最新かつ有益な情報を得る機会もコロナ禍のため失われた。ようやく5年目である当該年度の8月にフィンランドでのCLIL研修は実施できたものの、当初予定していたアジアでの学会参加や現地でのCLIL研究者との情報交換、およびコロナ禍前には既に詳細が決まっていたオーストリアの小学校におけるCLILの授業観察については未だ延期中である。 その一方で、日本においては、海外と同様に予定していた時期に大幅な遅れが生じたものの、コロナが落ち着いて対面式授業が可能となった当該年度には、CLIL授業の実践を行うことができた。具体的には、岡山県の公立小学校教員と連携して、多重知能(MI)理論の音楽的知能や対人的知能を重視したCLILの学習指導案を作成し、小学校高学年児童を対象にギタリストによる演奏の芸術鑑賞をテーマとする音楽CLILの授業を実施することができた。しかしながら、実施時期の遅れのために、本実践に基づく学会の発表にまでは至らなかった。 総合的に見ると、本研究課題の進捗状況は「やや遅れている」と評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、日本および海外の学会でのCLIL研究者との交流を通じて、理論面でのCLILに関する最新の情報収集を継続していきたい。それと同時に、本研究の最終目標でもある「日本型のCLIL教材や指導法の開発」を試みるに当たり、海外で実際に行われているCLILの授業観察を継続して行い「仮説モデル」の作成をする予定である。可能であれば、3~5年目に3年連続でコロナ禍のため中止となった、ウィーン(オーストリア)の小学校におけるCLIL授業の現地調査を行いたい。オーストリアは音楽等の芸術系科目のCLILが盛んに行われており、日本の小学校英語教育が参考にできる点が多いと考えている。 加えて、研究対象とするCLILの実技教科については、既に論文での研究発表を行っている体育科内容の実践を継続するとともに、他の実技教科にも事例研究を増やしていく予定である。第1には、既に口頭発表までは行った三原市の附属小学校における家庭科内容を取り入れたCLIL授業に関して、とりわけCLILの思考などの視点でさらに考察を深め、今後は論文による公表を目指していく。第2には、同じく既に口頭発表した岡山県の公立小学校における図画工作内容を取り入れたCLIL授業に関し、CLILの4Cである「内容」「言語」「思考」「協学」の視点から更なる考察を加え、紀要の執筆へとつなげていく計画である。そして、第3には、小学校における新たな実技教科の内容として実践した音楽を取り入れたCLIL授業の分析を進め、その結果を学会にて公表していく予定である。
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