研究課題/領域番号 |
18K12490
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03010:史学一般関連
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研究機関 | 亜細亜大学 |
研究代表者 |
今野 裕子 亜細亜大学, 国際関係学部, 講師 (10707623)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 移民史 / 法制史 / アメリカ史 / カナダ史 / トランスナショナル・ヒストリー / アジア系移民 / 北米漁業史 / 漁業権 / 法文化圏 / アジア系漁民 / 漁業史 / 法文化 |
研究成果の概要 |
本研究は、19世紀後半から20世紀前半のアメリカ合衆国(以下アメリカ)やカナダで繰り広げられたアジア系漁民排斥の政治を、北米法文化圏における漁業権解釈や漁業行政の史的展開との関連において把捉し直すことを目的とした。アーカイブ調査やデータベースを活用した法律の分析を行い、成果を石井紀子・今野裕子編『「法-文化圏」とアメリカ』(上智大学出版、2022年)所収の論文にまとめた。また、法および国家の境界という観点から、日本人の「密航」をめぐる法解釈や実践、さらに公衆衛生とアジア人の身体についても分析を進め、佐藤健太郎・荻山正浩編『公正の遍歴』(吉田書店、2022年)所収の論文や紀要論文にまとめた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、北米におけるアジア系移民を対象とした人種主義を法文化の観点から掘り下げた点にある。従来の移民史においては移民法の制定過程などが議論されてきたが、本研究は移民が多く携わってきた「漁業」という生業の場に焦点を当てている。環境史や社会史の文脈で捉えられがちな漁業だが、法の解釈をめぐりどのような政治が展開されてきたのかという背景を探ることで、公正概念と集団の序列化との関係性を明らかにした。法の運用や解釈における人種主義への着目は、コロナ禍におけるアジア系への差別やヘイト事件の構造を理解する上で欠かすことのできない視点を提供し、社会的な意義も大きいと言えるだろう。
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