研究課題/領域番号 |
18K12507
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
上原 こずえ 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (60650330)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 社会運動 / 集合行為 / 経済開発 / 開発 / 囲い込み / 蓄積 / 抵抗運動 / 福祉労働者 / 社会開発 / 軍事資本主義 / 直接行動 / コモンズ / 労働 / 移動 / プレカリアート / 琉球弧 / 帝国 / 環太平洋地域 / 境界 / 沖縄現代史 |
研究成果の概要 |
本研究では第一に、「住民運動」という集合行為/社会運動を分析した。特に、1972年施政権返還後の沖縄における石油備蓄基地建設に対し、開発候補地周辺に暮らす人びとが「豊かさ」という概念を批判的に捉え直し、環太平洋島嶼地域の社会運動のネットワークのなかで開発に抗う集合行為を組織した経緯を明らかにした。第二に、1970~80年代の沖縄で経済開発に反対する集合行為を組織した個々人の移動経験の語りに着目した。移動過程における出来事との遭遇が個々人の思想や行動をいかに培ったのか。個人の長期間・広範囲にわたる経験の運動史における意味を考察するとともに、戦後の沖縄における社会運動史について再検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は第一に、本研究は経済開発に伴う生活や生産の場としての海や土地の「囲い込み」が施政権返還後の沖縄における社会関係・階級構造の再編成をもたらし、既存の反戦・反基地の抵抗運動の主体を大きく動揺させていたことを記述した。また第二に、本研究は、施政権返還時の沖縄における「反開発」の住民運動に携わった女性たちが、①総生産額という「可視の経済」にはカウントされない副次的な生業「マイナーサブシステンス」(松井健)があるということ、②生命を維持するための自律的生産基盤(サブシステンス)としての食は命を軽視する軍事資本主義に対する根源的な抗いになりうること─を提起したことを指摘した。
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