研究課題/領域番号 |
18K12517
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 国際日本文化研究センター |
研究代表者 |
呉座 勇一 国際日本文化研究センター, 大学共同利用機関等の部局等, 助教 (50642005)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 史学史 / 中世史 / 戦後歴史学 / オーラルヒストリー |
研究成果の概要 |
本研究の最大の成果は論文「網野善彦とベラ・ザスーリチへの手紙」の執筆である(今年度発表予定)。 本研究では、網野善彦の研究の展開過程を再検討した。網野本人の証言によれば、網野の代表作『無縁・公界・楽』の核心的テーマである「無縁」=「原始の自由」は、ベラ・ザスーリチへの手紙(カール・マルクスの書簡)を読み直すことで得た着想が基になっているという。この網野の回顧談の妥当性を、多様な資料に基づいて再検討した。なお、この論文の執筆にあたっては、生前の網野氏と親交があった峰岸純夫氏に対する聞き取り調査から示唆を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
網野善彦は一流の日本中世史研究者であり、その学説の影響力は歴史学界を超えて一般社会に広く浸透した。マルクス主義者でありながら戦後歴史学を批判する立場を採った網野の学説を史学史の中に位置づけることは重要な課題である。しかしながら、圧倒的な知名度を誇った「網野史観」は数々の伝説に彩られており、歴史学者や評論家による従来の網野善彦論は、作られた「神話」に惑わされ、網野の研究の実像に迫れていない。本研究は、同時代資料によって網野の回顧談を相対化し、網野の研究の真の軌跡を明らかにした。この研究手法は他の学者を対象とする評伝にも応用可能であり、大きな学術的意義・社会的意義を持つと考える。
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