研究課題/領域番号 |
18K12524
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 学習院大学 (2021-2022) 東京大学 (2018-2020) |
研究代表者 |
海老根 量介 学習院大学, 文学部, 准教授 (30736020)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 上博楚簡 / 楚 / 説話 / 出土史料 / 出土文字史料 / 申 / 中国古代史 / 左伝 |
研究成果の概要 |
本研究では上博楚簡中に含まれる春秋時代の楚を中心とする各国に関する説話を取り上げ、歴史学的観点から検討した。これらの説話には登場人物の会話など史実と見なしがたい内容も含まれているが、説話の基本的なプロットは歴史的な事件に基づいて組み立てられており、史料批判を経て歴史学の研究に役立てることも可能であることを示した。また、これらの説話には『春秋左氏伝』と対応する内容も少なからず含まれている。従来の研究では両者の類似点ばかりが指摘されているが、本当に注目すべきは両者の相違点である。本研究ではその相違点を手がかりにして『春秋左氏伝』が先行する説話をどのように取り込み、成書されていったかを考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
上博楚簡は思想関連の文献が多くを占めることで知られており、主に思想史の分野での研究の進展が著しい。それに比べると上博楚簡の説話の研究は低調で、特に歴史学の研究対象とされることは少ない。本研究ではこうした従来あまり注目されてこなかった史料を取り上げ、春秋時代の歴史を研究する手がかりとした。これは、もともと依拠できる文献が限られている春秋時代研究の史料の欠を補うことにもつながる。また、その成書の経緯や史料的性格をめぐって異説の多い『春秋左氏伝』について、こうした説話を手がかりにして考察を進めることができることを示し、成書年代や地域について仮説を提示して従来の議論に一石を投じた。
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