研究課題/領域番号 |
18K12525
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 早稲田大学 (2021-2022) 中央大学 (2018-2020) |
研究代表者 |
海野 典子 早稲田大学, 高等研究所, 講師(任期付) (30815759)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 中国 / イスラーム / ムスリム / 回族 / 起源説話 / 民族政策 / 中央アジア / 歴史 / 回民 / アイデンティティ / ソ連 / 民間伝承 / 歴史叙述 / 民族概念 / 歴史認識 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、近代中国の漢語を話すムスリム(回民)の起源説話が、彼らのアイデンティティ形成過程、及び中国の民族政策において果たした役割を解明することである。新型コロナウイルスの感染拡大により、当初予定していた海外での資料調査やインタビュー調査を実施することができず、回民の起源説話が民族政策に与えた直接的影響について十分な考察を行うことができなかった。しかし、近代中国領中央アジアのテュルク系ムスリム歴史学者までもが回民の起源説話を「史実」として引用していたことを示し、回民の起源説話が広く中国領のムスリムの歴史認識や民族・宗教・国家観に影響を及ぼしてきたことを明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近代中国の漢語を話すムスリム(回民)の起源説話は、「史実」ではないと一部の回民や外国人研究者に批判されながらも、彼らのアイデンティティ形成過程、及び中国の民族政策において重要な役割を果たしたと考えられる。また、これらの起源説話は、回民自身だけではなく、近代中国領中央アジアのテュルク系ムスリムの歴史認識や民族・宗教・国家観にも影響を及ぼした。本研究の学術的意義は、近現代中国の民族・宗教政策のあり方に多大な影響を与えたとされる回民の歴史認識、集合記憶の一端を明らかにしたことである。また、ムスリムの視点から中国の民族・宗教問題の深層を読み解く本研究には、大きな社会的意義があると言える。
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