研究課題
若手研究
複数の信仰共同体と文明が交流を繰り返した中世後期「西地中海圏」の研究は、西洋史・イスラーム史双方に分断されてきた。本研究は双方の成果をふまえながら、アラビア語史料の残存状況が著しく悪く、その実像が不明瞭なナスル朝グラナダ王国社会を、陸路と海路による近隣諸国との交流の結果残された諸史料(カスティーリャ王国・アラゴン連合王国・ジェノヴァ・マグリブ)から照射するための第一歩である。
本研究は、民族・文化・宗教が混交を繰り返した前近代の地中海世界も実態解明を目的としている。今現在、世界各地で衝突と分断を引き起こしている三大一神教(ユダヤ教・キリスト教・イスラーム)は、かつてもそうであったように即断されているが、実のところ、前近代世界では、そうではなかった。中世地中海の人々の生き様を史料から再現し、来たるべき多様な社会の構築において示唆を与えることを目指す。
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日吉紀要 言語・文化・コミュニケーション
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スペイン史研究
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