研究課題/領域番号 |
18K12546
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
渡邉 裕一 福岡大学, 人文学部, 講師 (30804314)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 環境史 / 都市史 / 生活環境 / 給水システム / 河川利用 / 水の記憶 |
研究成果の概要 |
本研究は、近年注目を集める都市環境史の議論を踏まえ、帝国都市アウクスブルクを事例に、都市と自然環境との相互関係および都市の生活環境の実態を、都市生活に欠かせない必需品である「水」という問題領域に着目して解明することを試みた。新型コロナ感染症の世界的拡大にともない、計画していたドイツでの資料調査を中止せざるを得ず、研究は計画通りに進んだとは言い難い。その結果、研究期間も一年間延期することとなった。ただし、2019年夏にアウクスブルクの給水システムおよび水経済が「ユネスコ世界遺産」に登録され、記念カタログや論文集が多数刊行されたこともあり、当初の目的はおおむね到達できたと言えるだろう。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ユネスコの理念とは異なる歴史学的な意義を踏まえ、アウクスブルクの水利システムの歴史を整理した論文を『西洋史学』の特集「環境史の課題」に発表した。また、九州西洋史学会にてシンポジウム「ヨーロッパ史における水の資源化とその管理・統制」を企画し、「帝国都市アウクスブルクにおける水の利用とその管理」と題した研究報告を行った。さらに、中近世ヨーロッパ都市における水の管理・利用は、下水処理なども含め、都市の公衆衛生や生活環境とも深くかかわっていたことを解明し、中近世都市を何度も繰り返し襲ったペスト被害やその対策についても考察の対象を広めることができたのは、本科研プロジェクトの成果の一つともいえるだろう。
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