研究課題/領域番号 |
18K12547
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 高知工業高等専門学校 |
研究代表者 |
松浦 真衣子 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 准教授 (40737235)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ギリシア海運 / グローバルネットワーク / グロー バ ル ヒス トリー / 海から見た歴史 / 宗教マイノリティの国民化 / 聖母像の国民化 / 史料整理 / マイノリティ / ギリシャのマイノリティ / 国家宗教と地域宗教 / 宗教マイノリティ / キクラデス諸島のカトリック / 聞き取り調査 / 近代ギリシャ / グローバル・ヒストリー / 国民国家 / 海のネットワーク / キクラデス諸島 |
研究実績の概要 |
本年度はギリシアのキクラデス諸島の海運に関するこれまで集めた情報をまとめ、より詳細なミクロヒストリーを構築するために、現地に訪問して聞き取り調査を行った。 まずは、高知高専学術紀要第69号(2024年3月)に論文を発表し、1990年代よりポストコロニアルの影響を受けながら発展してきたギリシア海事史の現状をまとめ、報告した。物流や人的ネットワークという面に着目すると、これまで西欧中心だった19世紀から20世紀の海事史の主体は、ギリシアの島民出身者であることが近年の研究で明らかになっている。クレタ島にある地中海研究所(IMS)の海事史センターでは、地縁・血縁にもとづくギリシア島民のグローバルネットワークを解明するために、若手研究者たちがチームを組み、豊富な史料をもとに、数量的なギリシア海運の分析を進めている。 本研究で焦点を当てているキクラデス諸島も、ギリシア海運の揺籃の地の一つであり、特にアンドロス島は船主、船長、船員、さまざまな海運の階層を生み出す島だった。19世紀後半にドナウ川の穀物貿易で成功したエンビリコス家は出身地のアンドロス島民をビジネスに採用した。陸地から隔離された船内では、船員の社会集団のメンバーだけが共有する特殊な言語や文化、航海術のメンタリティが発展した。このような人的なつながりは経済危機を乗り越える原動力なり、世界有数の海運ネットワークを創りあげた。 これらの概要を論文でまとめた後、2024年3月に実際にアンドロス島に訪問し、船長を輩出した家族の子孫にインタビューを行った。カイリス図書館の協力を得て、これまで発刊されている船舶や教育に関する史料集を入手した。これら、入手した情報を今年度中に論文にまとめて発表する予定である。
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