研究課題/領域番号 |
18K12557
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 国際教養大学 |
研究代表者 |
根岸 洋 国際教養大学, 国際教養学部, 准教授 (20726640)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 亀ヶ岡社会 / 狩猟採集社会 / 居住システム / 祭祀システム / 低湿地遺跡 / 環境変動 / 気候変動 / 溝状遺構 / 木柵列 / 寒冷化 / 社会システム / 狩猟採集民 / 年輪年代 / 縄文晩期 |
研究成果の概要 |
本研究課題の目的は、縄文晩期の亀ヶ岡社会が初期農耕社会へと変容したプロセスを、社会システムの変容に着目した多角的視点から捉え直すことである。対象時期は紀元前10世紀から同5世紀とした。本研究ではまず上新城中学校遺跡の発掘調査を実施し、居住域を囲む溝跡の年代を特定して居住システムの特徴を明らかにした。次に鐙田遺跡出土遺物の再整理を行い、またボーリング調査も併せて実施し、遺跡の継続期間と環境変動との関わりについて考察した。さらに縄文晩期後半の土偶・土版の編年を提示し、祭祀システムの変容の実態を論じた。これらの研究成果については単著(2020年)及び成果報告書(2021年)として刊行した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般に亀ヶ岡文化は精巧な工芸品で知られるが、それらが後半段階に衰退することについて文化的停滞とみなす解釈がなされていた。つまり東北地方における弥生時代の到来は、狩猟採集社会の停滞とセットで捉えられていたのである。これに対して本研究は、縄文晩期後半段階における居住・祭祀システムに着目し、その変容プロセスを明らかにした点に学術的意義がある。特に溝跡の構築が晩期全般に渡り、弥生時代まで継続することが判明したため、今後列島全体を対象とした比較研究へと発展させることが期待される。またこれまで定説がなかった土偶・土版の変遷プロセスについて、鐙田遺跡の層位的情報を加味した新たな編年案を提示することができた。
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