研究課題
若手研究
本研究では、北海道・サハリン・千島列島に居住してきたアイヌ民族が遺した物質文化資料のうち、従来は体系的な検討が行われてこなかった繊維製品を主な対象として、日本国内の博物館等に所蔵されている資料の型式学的分析を実施し、地域差と年代差を具体的に明らかにした。また、いくつかの地域について人口統計等との比較検討をおこない、資料の空白域が形成された過程についても検討した。
本研究により得られた成果は、今後、考古学との比較研究に向けた参照枠となるだけでなく、アイヌ民族による民族文化復興運動に対して、物質文化研究の立場から地域差・年代差を踏まえた確実な情報提供を行う際の基礎としても重要なものといえる。
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