研究課題/領域番号 |
18K12566
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
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研究機関 | 東京電機大学 (2020) 東京理科大学 (2018-2019) |
研究代表者 |
阿部 善也 東京電機大学, 工学研究科, 助教 (90635864)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 古代ガラス / 銅赤 / 製法解明 / 起源推定 / オンサイト分析 / 蛍光X線分析 / シルクロード / 古代オリエント / 考古化学 / 文化財科学 / 放射光 / X線分析 / オリエント |
研究成果の概要 |
銅によるガラス・セラミックの赤色着色技術「銅赤」について,蛍光X線を中心とした非破壊分光分析手法によって,その技術的・物質的な変遷および伝搬を科学的に明らかにした。銅赤ガラスは前2千年紀中葉のメソポタミアと古代エジプトでほぼ同時に生み出されたものと考えられ,製法に違いがあった。紀元前後より東地中海沿岸を中心としていわゆるローマ・ガラスの生産・流通が始まると,その中で銅赤も多用され,より強い還元焼成を利用した着色も生み出された。後1千年紀以降は,南・東南アジアなど様々な地域に銅赤の技術が伝搬し,大量生産された銅赤ガラス製ビーズの一部は古代の日本列島にも伝来した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
装置メーカと共同で開発した高性能な可搬型装置や,放射光施設における高度なX線分析など,最先端の科学的な分析・計測技術を古代のガラス製品へと非破壊的に応用することで,その来歴や古代における技術の変遷を明らかにすることができた。対象とした古代ガラスの中には,沖ノ島出土のガラス製品など,我が国の国宝に指定されているきわめて希少な文化財も含まれる。本研究は一般市民にとって科学的な分析・計測の重要性を等身大で理解可能な好例となるだろう。また,本研究で開発・利用された分析手法は,古代ガラスに限らずあらゆる文化財の非破壊分析調査へと応用可能であり,文理融合の促進に大きく貢献できたと考えている。
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