研究課題/領域番号 |
18K12595
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
田村 うらら 金沢大学, 地域創造学系, 准教授 (10580350)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 遊牧民 / ユルック / 人類学 / トルコ共和国 / 文化復興 / モノ / 経済人類学 / モノ研究 / トルコ / 公共化 / 文化祭典 / アイデンティティ / 民族文化 / 定住化 / 物質文化研究 / 生活設計 |
研究成果の概要 |
トルコの遊牧民とされて来たユルックを、厳密な意味での遊動人口としてのみ捉えるのではなく、遊動ー半遊動ー移牧ー半移牧ー定住の連続のなかで捉え直すことにより、彼らが都市や村落の一角に根を下ろしてもなおユルックとして生きようとする現代的状況を明らかにすることができた。 特に、都市在住のユルックたちを中心に国内各地で結成される遊牧民文化協会の連帯的活動展開が、トルコ全体のオスマン帝国懐古の風潮とも共鳴しながら、ユルックの存在が「誇るべきトルコの伝統」として広く一般市民にも波及している状況については、調査分析が予想以上に進み、各種学会・論文・書籍の形で成果を公表するに至った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トルコ全体が1980年代以降大きな変動を経験したにもかかわらず、人類学者の松原正毅による1980年代のユルック研究以来、ユルックの変化や現代化を扱った研究が蓄積されず、同国のグローバル化の90年代以降現在までほぽ完全なブラックボックスと化して来た。本研究は、そのような長い空白を埋めるものとなった。 とりわけ、基本的には定住しながらユルック文化復興に注力する人々の生活史や活動を精査し、社会的政治的背景とも関連づけながら明らかにしたことは、民族文化の現代的動態に関わる議論に寄与するとともに、都市定住社会の相対化への端緒ともなっただろう。
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