研究課題/領域番号 |
18K12607
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
前川 真裕子 京都産業大学, 現代社会学部, 准教授 (00700105)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 人間と自然 / ラトゥール / 多自然主義 / 植民地主義 / オーストラリア / ネイティブ・プランツ / Australia / Nativev plants / image of bush / ecosystem / colonial past / 非人間 / 複数の視点 / 自然 / Native plants / migrants / contemporary identity / Native Plants / European background / landscape / Melbourne / whiteness / nature / native plants / colonialism |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、オーストラリアに固有のブッシュの自然を生み出しているネイティブ・プランツと呼ばれる植物に注目している。またコロナ禍でフィールド調査が中断されてしまう中、国内にとどまりオーストラリアの自然をめぐる先行研究等を精査し、文献整理を主に行ってきた。文献整理を行う中で、当初は見えていなかったオーストラリアの人間と自然を考える上でより包括的な視点を持つことの重要性に気づいた。特に植民地主義の歴史の中で、ヨーロッパからの入植者たちが新天地であるオーストラリアの環境をどのように人工的に作り替えてきたのかや、その歴史の延長線上にある現在のオーストラリアにおいて、ヨーロッパに出自的由来を持つ、いわゆるアングロティック系のオーストラリア人たちの自然との関わりを、より長期的スパンで考察することに着手し始めている。今年度はできる限り、フィールド調査と並行させながら、過去と現在の関係性を考察していきたい。特に、論文「人間と植物をめぐる複数の視点」にて言及した文化人類学者ラトゥールのアクターネットワーク理論などを掘り下げつつ、行為者としての人間と行為者としての植物がどのようなネットワークを構築してきたのか探っていく。また、今年度の成果として、申請者の研究のキーワードでもある多自然主義について書かれたオーストラリアの人類学者ガッサン・ハージの英語での著作『オルター・ポリティクス』を日本語に翻訳し明石書店から出版した。翻訳を進める中でハージの多自然主義に関する議論に学術的な刺激を受けた。彼の議論は今後の申請者の研究に大きく影響与えるものと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
数年に及ぶコロナ禍において、文化人類学の方法論である長期のフィールドワークに出国することが不可能になったので、予め予定していた現地での調査がストップしている。今年度は徐々に国外でのフィールド調査が解禁となる中で、申請者は引き続き国内に留まり文献の整理を行った。来年度は整理した文献をもとに改めてスケジュールを組んで調査に迎えたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
ラトゥールやハージの議論を改めて精査しながら、オーストラリアの人間と自然の関係性について掘り下げていくつもりである。特にこれまで行ってきた文献整理を活かしながら、可能ならば来年度の冬にフィールド調査に行きたいと思う。数年ぶりに会う現地のインフォーマント達と改めて関係性を確認しながら、理論的な考察も深めていきたい。
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