研究課題/領域番号 |
18K12616
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 宇都宮共和大学 |
研究代表者 |
吉良 貴之 宇都宮共和大学, シティライフ学部, 講師 (50710919)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 法哲学 / 世代間正義 / 歴史的不正義 / 矯正的正義 / 公的年金 / 放射性廃棄物 / 人工物 / 立憲主義 / 人口倫理 / 生殖倫理 / 非同一性問題 / クィア / 高齢者法 / 気候正義 / 世界正義 / 世代間格差 / 福祉国家 |
研究成果の概要 |
本研究では、時間的幅のある問題の「世代間正義」について、幅の種類に応じて問題を切り分けながら考察を進めた。それにより、公的年金問題のような世代重複のある短期的な問題と、放射性廃棄物処分問題のような超長期的問題とで論点が変わりうることを示した。短期的問題については世代内の互恵性(reciprocity)概念の整理、長期的問題については通時的に普遍的な世代間正義の理念をどう捉えるかが重要である。ほか、過去世代の行った悪事についての現在の責任のあり方を問う「歴史的不正義」論にも取り組み、正義の時間的な志向性についてより立体的な議論構築への見通しをつけた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、いまだ/もはや存在しない人々との正義の関係を問う「世代間正義」論について考察を進めた。主な意義としては、各種の問題を時間的幅に応じて切り分けることによって取り組みやすくしたことがあげられる。たとえば短期的な公的年金問題については、我々が子や孫も含めていかなる社会を「ともに」作り上げているのかという互恵性の概念が重要になるのに対し、長期的な放射性廃棄物処分問題については将来世代にとってのどのような価値を守るべきかという理念の問題が重要になるといったことである。また、過去の不正義に対する責任を扱う「歴史的不正義」論についても取り組み、正義の時間的次元についてより立体的な見通しを得た。
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