研究課題/領域番号 |
18K12619
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
粟辻 悠 関西大学, 法学部, 教授 (50710597)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 模擬弁論 / レトリック / 古代ローマの法教育 / 法廷実務 / ローマ法 / 古代ローマ帝政期 / 弁論術教育 / ローマ模擬弁論 / 古代レトリック / 法廷弁論 / 衡平 |
研究成果の概要 |
研究期間の前半期においては、まずは伝クインティリアヌス『小模擬弁論集』に登場する弁護(三人称での弁論)事例の分析を通じて、模擬弁論における訓練が裁判の実務(家)にとって一定の意義があったという知見を得た。 その後、その分析の成果を前提としつつ、大セネカ『模擬法廷弁論集』の分析を通じて、模擬弁論の論者による登場人物のキャラクターとその行動の動機、また説得的なストーリーの形成という営みが、それもまた法廷への準備として意義のあるものであったとする結論を得た。この論文の補論においては、現代日本の法教育や法実務において類似の現象が生じていることにも触れ、法社会学分野からの反響を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
古代ローマ社会における模擬弁論教育は、法廷での議論を模した形で行われる当時の高等教育であったにもかかわらず、その娯楽的な側面が学説史上は強調されてきたことにより、十分にその法教育的な意義が評価されてこなかった。本研究によって、模擬弁論におけるキャラクターやストーリーの形成など、従前は法的な議論との関わりが重視されてこなかった要素についても法廷での実務における模擬弁論教育の有用性が論じられた点には、学説史上も重要な意義がある。 また、歴史的分析の現代社会への無批判な転用は厳に慎むべきではあるものの、本研究の成果が法社会学からの反響を得た点は、その社会的な展開可能性を示すものではあろう。
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