研究課題/領域番号 |
18K12623
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
阪本 尚文 福島大学, 行政政策学類, 准教授 (60707800)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 高橋幸八郎 / 京城帝国大学 / 戦後憲法学 / 樋口陽一 / 平和主義 / 立憲主義 / ルフェーヴル / 戦後歴史学 / 岡田与好 / 二宮宏之 / 杉原泰雄 / 「営業の自由」論争 / フランス革命 / 戦後経済史学 |
研究成果の概要 |
本研究は、憲法学が戦後日本を代表する経済史家、高橋幸八郎とその門下生の歴史研究といかに協働ないし相克したのかを分析することを当初の目的に据えたが、研究開始後に高橋関連書簡などを発見したために、それらの整理・分析し、高橋の憲法思想を剔抉することに労力を費やすことになった。紋切り型イメージに還元し切れない複雑な相貌を高橋史学は有しており、しかも、敗戦直後には早くも政治の基層に位置する憲法とそれが保障する基本的人権への関心を示していた高橋は、経済的自由にとどまらずに、前文、平等、97条、そして平和論へと自身の憲法思想を発展させていったことが、明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、高橋史学に憲法学・政治学的な洞察が含まれていたことや、高橋史学が法学者によって受容されたことを明らかにしたが、高橋史学の越境性は、分野外の専門家や郷土の市民、そして海外の読者など、多様な読み手に受容されたこととも密接に関わるものであった。「歴史を業とする者たちの内輪での歴史の行いと、それ以外の圧倒的に多数の人びとの歴史の行いとの間に、相互の了解が困難なほどに乖離が発生」(小野塚知二)する現在にあって、両者を架橋しようと苦闘している多くの歴史家にとってこそ、高橋史学のこうした従来知られていなかった性格は、示唆深いものとなるであろう。
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