研究課題/領域番号 |
18K12692
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05070:新領域法学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
西井 志織 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (80637520)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 当業者 / 特許法 / クレーム解釈 / 知的財産法 / 基準主体論 / 特許権 / 保護範囲 / (クレーム)解釈 / 開示(実施可能)要件 / 非自明性(進歩性)要件 / 侵害 / 実施可能要件 / 進歩性要件 / 進歩性 |
研究実績の概要 |
2022年度は、主に英国特許法における「当業者」とその技能・知識についての分析を引き続き進め、その成果をまとめて論文原稿の形で提出した(23年度刊行の論文集に掲載予定)。当業者が英国で重視される理由から始まり、問題とされる全局面で当業者が同一かということ、当業者の「チーム」性、属性と技能、さらに当業者に帰せしめられる共通の一般的知識の認定等について、判例の調査分析の結果を提示し、また今後取り組むべき課題を明らかにした。このテーマに関する英国の司法実務は特許法の構造に即したものであり、また判決文を読む者が裁判所の考え方を追いやすいという意味でも価値があると考えられる一方、かえって複雑化している論点もあり、この実務によっても物事がすべてクリアーに整理できていくわけではないように見える。そうではあるが、英国での議論は、日本法における「技術常識」や当業者の「チーム」性の問題に示唆を与えてくれるものであった。 また、当業者は特許法制全体を貫く中核概念の一つであるところ、英国特許法における間接侵害についても研究を行い、その成果を論文原稿の形で提出した(日本工業所有権法学会年報46号(2023)掲載予定)。 さらに、基準主体を視点とした研究を特許法以外の知的財産法にも広げた成果(商標法4条1項8号につき新たなアプローチを示した音商標の裁判例を取り上げ、音の「人の氏名」としての認識可能性の基準主体が需要者に限られるか否かという点も含めた検討を行った)を、2022年6月刊行の雑誌Law and Technologyに公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、英国法について研究成果をまとめ論文原稿の形で提出することができ、またその関連課題についても成果を公表できた点で進展した。ここ数年のCovid-19の影響での遅延分を取り戻すべく、引き続き研究を進める。
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今後の研究の推進方策 |
日本法の課題を見据えながら、外国法の現状分析のための基礎的な研究を続行し、成果をまとめ公表する。この際、関連論点にも引き続き目を配る。対面での研究会も復活しつつあるため、できるだけ現地に赴き、実務家や研究者と意見交換を行うことを、研究推進の方策とする。
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