研究課題/領域番号 |
18K12699
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
柏崎 正憲 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 助教 (90737032)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | シティズンシップ / 政治的成員資格 / 市民と非市民 / 平等 / 西洋政治思想 / 西洋社会思想 / 西洋道徳思想 / 西洋政治思想史 / 政治理論 / 政治思想史 / 社会思想史 / 政治・権力・国家 |
研究成果の概要 |
先行研究によれば、ジョン・ロックの自然法論および所有権論は、古典的政治哲学における市民像から近代的市民権への移行を代表している。この解釈によれば、ロックは受動的な権利保有者としての市民を普遍化したということになる。 本研究が解明したのは、むしろロックは社会の能動的および受動的成員にかんする既存の区別を相対化し、すべての「勤勉な」個人(貧しい労働者を含めて)を共通善への貢献者として位置づけた。この新たな市民像は、自然法理論のみならず、ロックの哲学的人間像それ自体に、すなわち、自己の良心と確信に従って行為する自由と、自己を道徳的に統制する責任とを与えられた個人という観念に、基礎づけられている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義: 第一に、ロックのシティズンシップ論を思想史的アプローチにより包括的に解明したこと。第二に、古典的・共和主義的な市民像から近代的市民権への移行という、従来の思想史的研究における相対的に未開拓の分野の究明に寄与したこと。第三に、現代政治理論が問題とする、権利保障の客体たる私的個人と、公共的空間に場を占める平等な政治的行為者という、二つの分離された市民像の包括的な再考を促すこと。 社会的意義: 抽象的個人としてではなく、社会に位置を占める具体的人格としての人間を、いかに、どの程度まで平等に扱うべきか――そのような、平等の原理と実践を架橋する思考の方式として、ロックに光を当てたこと。
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