研究課題/領域番号 |
18K12715
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
内田 智 早稲田大学, 政治経済学術院, その他(招聘研究員) (70755793)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 認知デモクラシー論 / 熟議デモクラシー論 / 現代政治理論 / 認知デモクラシー / 熟議デモクラシー / 認知的多様性 / 反民主的論議 |
研究成果の概要 |
本研究は、「デモクラシーは愚かな多者支配に過ぎない」とする反デモクラシー論に反駁するために、デモクラシーに備わる独自の認知的価値の解明を試みた。まず、認知心理学など政治学・政治理論以外の学問分野の知見も参照しつつ、人々の間でなされる正当化実践としての熟議がもつ認知的な価値と機能を詳らかにした。その上で、不確実性と価値多元性が不可避的に顕在・潜在する「政治」の世界においては、多様なパースペクティヴを携えた人々を平等かつ継続的に包摂する熟議プロセスを備えたデモクラシーこそが、よりよい認知的帰結を生み出す蓋然性が他のいかなる政体と比べても高いことを論証した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
まず、学術的意義としては、デモクラシーの正当化をめぐって認知的正当化論と道徳的正当化論を二項対立的かつ相互排他的に捉える見方に抗して、本研究は人々の間でなされる終わりなき正当化実践としての熟議をデモクラシーの中核に据える視座の下、その両者を相補的に捉える道筋を提示していることが挙げられる。 これに加えて本研究は、昨今台頭しつつある専門家支配への淡い期待に対して警鐘を鳴らしているという点で、より広範な社会的意義を有する。多様なパースペクティヴを備えた人々を継続的かつ平等に包摂する熟議過程の認知的価値を解明する本研究の視座は、専門家支配が独善、視野狭窄に陥る危険性をも射程に収めている。
|