研究課題/領域番号 |
18K12717
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 東京大学 (2021-2022) 南山大学 (2018-2020) |
研究代表者 |
平松 彩子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00803884)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 投票権法 / 民主化 / 連邦司法省公民権局 / 有権者登録 / 司法省公民権局 / 民主党 / 反動票 / 連邦司法省 / サブナショナル権威主義 / 南部民主党 / 1965年投票権法 / 全国民主党委員会 / 大統領候補指名過程 / 民主化と全国統合 / アメリカ政治 / 大統領候補指名制度 / 民主党改革 / 政党の全国化 / 民主化後の地方統合 / 米国共和党全国委員会 / 米国深南部州政党 / 米国大統領選挙 |
研究実績の概要 |
2022年度には、前年に引き続き、アメリカ合衆国の南部地域における民主化の過程を明らかにするため、連邦司法省公民権局による1965年投票権法の執行について研究調査と論文の執筆を進めた。特に、なぜ同法の執行に偏りが生じたのかについて明らかにした。同法第6条では司法長官の行政的な判断で有権者登録官の派遣を実施すると定めたが、1957年から1965年までの間にすでに司法省が行なっていた投票権侵害に関する訴訟や捜査の活動実績があった郡では登録官の派遣が積極的に行われたのに比べて、訴訟活動を行なってこなかった対象州や地域においては登録官の派遣がほとんどなかった。派遣対象となる郡の選定基準は、同法の規定にあるような現地の有権者登録率や住人からの苦情に沿っていたというよりは、司法省公民権局の内在的な経路依存性によって決まっていたようである。1965年投票権法は、それ以前の公民権法の弱点を補った画期的な法律として一般的に理解されているが、司法省は法の執行の段階で多分に慎重、かつ限定的に登録官派遣を行なったのであった。この結果、すでに郡や州政府あるいは個人に対する訴訟を活発に行なっていたアラバマ、ミシシッピー、ルイジアナの三州においては有権者登録官の派遣が迅速かつある程度広い範囲の郡で行われたが、残りの対象州の一部地域では公民権活動家の有権者登録活動に対する雇い止めや爆破事件などが前三州と同様に起きていたにもかかわらず、派遣はほとんど行われなかった。この偏りは、各州における知事選挙や州民主党の改革過程にも影響を残したと考えられる。 以上の知見は、研究者が過年度までに行なった調査に加え、2022年12月初めにプリンストン大学を訪問し所蔵されている個人文書を精査した研究から明らかになった。空間情報ソフトウェアを用いて独自の地図資料として作成し、英語論文として公刊に向けて準備を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルス流行による渡航規制が緩和されたのを機に、2022年度には渡米して資料調査を再開できたことは、それまでの2年半の行動制限の時期と比較して、大きな進展であった。また所属する研究機関の他部局が学内構成員に対してアクセス権を提供している空間情報ソフトウェアを利用して、アーカイブ調査から得た知見を地図という形で可視化させられるようになったことも研究の進捗に大きく貢献しており、利用の機会を得ていることに深く感謝している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は本研究課題の最終年度であり、成果の公表を急ぎたい。まず2021-22年度に主に進めた司法省公民権局の投票権法の執行に関する研究を単体の英語論文として投稿する。同様の内容を日本比較政治学会の2023年度研究大会において報告する予定である。このほか、この研究の前提となっている深南部地域における州民主党の規則改革過程と、南部州を基盤とする大統領候補の出馬、また民主党の統合と全国化について、前2年間で行なった研究と接合させた上で、研究図書としての公刊を進める。
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