研究課題/領域番号 |
18K12795
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
|
研究機関 | 横浜国立大学 (2021-2022) 大阪学院大学 (2018-2020) |
研究代表者 |
奥山 尚子 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (80617556)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 利他的行動 / 寄付 / ファンドレイジング / 年齢効果 / 寄付の異質性 / 消費 / 資産保有 / 労働供給との関係 / 消費、資産保有、労働供給との関係 / アンケート調査 / 世代間継承 |
研究実績の概要 |
2022年度は、事業期間を延長し、前年度の研究実施状況報告書「今後の研究の推進方策」で言及したとおり、①アンケート調査の実施と回収した調査データを使った分析、②分析結果の学会やセミナーでの報告、③論文とりまとめと査読付学術誌への投稿に取り組むことを当初の予定としていた。しかし、①については、新型コロナウイルス感染症の長期化とその影響による研究計画変更等により、質問項目の設計、実施のタイミング、調査委託会社の選定などの諸点において引き続きの見直しや検討・精査が必要となり、次年度に持ち越して実施せざるを得なくなった。従って本年度は、②と③に加えて、定性的な調査を含めた既存研究のサーベイに注力した。 具体的には、継続して行っている都道府県別データを用いた寄付と消費、資産保有、労働供給の関係に関するパネル分析に取り組んだ。当該分析は論文に取りまとめて学術誌に投稿し、現在改訂中である。これと並行して、査読コメントや研究報告等でのコメントなども踏まえ、定性的情報の収集を行った。特に資産保有と寄付の関係は、本研究課題の目的である寄付行動の世代間継承や戦略的ファンドレイジングに関する政策的実務的なインプリケーションを検討するために重要な点である。しかし、個人情報の問題や資産保有者にリーチする上での様々な制約があることから資産情報の詳細な個票レベルでの定量的な実態把握は難しい。そこで、税務統計や集計されたデータなどから把握できる情報を補完するため、研究機関の独自調査やインタビュー等による実態報告、歴史文献なども調べた。 本年度も新型コロナウイルス感染症の影響で、学会やセミナーの多くがオンライン実施となり、参加に係る旅費や参加費等の支出予定がなくなった。また、文献収集やアンケート調査の実施費用の調整を踏まえて、申請当初の研究経費を見直し、執行計画を修正した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理由の一つは、アンケート調査の実施が遅れているためである。本研究課題の計量分析では世帯構成や労働経験、経済的選好を含む主観的指標に関する詳細な情報や操作変数の候補となる情報が必要である。既存データではこれらの必要な情報について一部しか含まれていないため、新たにアンケート調査を実施して、独自の個票データを得る必要がある。現在まで、調査設計のための情報と知見の収集、既存データを使った予備分析、その分析に関する論文執筆や発表報告などに時間を要したこと、加えて、新型コロナウィルス感染症の影響でスケジュールや経費など研究計画を大幅に変更せざるを得なくなり、アンケート調査の時期や内容、対象、調査委託会社の選定についても再検討や調整をする必要も出てきたため、実施に至っていない。 もう一つの理由は、研究代表者の所属機関の異動によるものである。教育に係る準備や環境設定に時間を要したため、当初予定よりも研究時間の確保が困難であった。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度は、事業期間を延長しての実施年度となる。アンケート調査を実施し、収集した調査データを使った計量分析を行い、国内外の学会やセミナーで報告し、論文に取りまとめて査読付学術誌に投稿する。現在改訂中の論文についても23年度内に公表できるよう改訂や査読結果への対応を迅速に進めたい。アンケート調査の準備ついては、2020年度に実施したスクリーニング調査から得た結果の整理や本年度実施した文献サーベイによる定性的な情報収集の追加により、アンケート調査を精緻化するための具体的な対策に関する情報やポイント、分析の枠組みとしての理論的説明や仮説設定、計量的手法に関する視座を深めることができた。調査委託会社の選定見直しに伴う調査費用や設計、アタック数などの再調整、交渉が引き続き必要となるが、これらへの対処についてはすでに着手しており、確実に調査実施すべく準備を進める。質問項目や実証モデル等はほとんど固まっているので、効率的に交渉や調整を進めていけるものと考えている。 2021年度および22年度に行った先行研究サーベイは、本申請課題の新規性や独自性、学術貢献の点から、また最近の国内外の寄付・ファンドレイジングに係る社会情勢や政策・実務動向なども踏まえ、成果として発信することが重要であると考えている。これについても、23年度中に取り組み、論文等に取りまとめて学術誌に投稿・発表したい。 教育に係る準備や環境設定については見通しが経っているので、時間管理を徹底して着実に研究を遂行したい。
|