研究課題/領域番号 |
18K12897
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
木村 太一 慶應義塾大学, 経営管理研究科(日吉), 講師 (10779771)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | マネジメント・コントロール / 業績評価 / 同調圧力 / 行動契約理論 / モラル・ハザード / マルチ・エージェント / 分析的会計研究 / 管理会計 |
研究成果の概要 |
本研究では,同調圧力がマネジメント・コントロールに与える影響について,数理モデル分析を通じて検討した。本研究で言うところの同調圧力は,他者との努力水準の差を嫌悪する傾向のことを指している。分析の結果,エージェント(部下)の同調圧力がプリンシパル(上司)にとって望ましく作用するかどうかは,業績指標の目的整合性(組織目標と整合的な努力をエージェントから引き出せる性質)に左右されることが示唆された。目的整合的な業績指標が利用できている場合には,同調圧力は適切な努力配分を阻害してしまう。一方で,目的整合的な業績指標が利用できない場合には,条件次第では,同調圧力には適切な努力配分を助ける機能がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,同調圧力あるいは同調圧力に対する従業員の選好が,マネジメント・コントロールの効率性・有効性に影響を与えることが示唆された。しかも,その影響はポジティブな場合もあれば,ネガティブな場合もある。マネジメント・コントロール・システムの設計理論は,従来経済合理的な従業員を想定して蓄積されてきた。本研究の成果を参考にすれば,たとえば同調圧力の強い組織文化を持つ組織では,金銭的なインセンティブが制度設計の想定ほどは有効に機能しない可能性が示唆される。様々な企業組織が,所属する従業員の傾向等を把握すれば,より有効かつ効率的なマネジメント・コントロール実務につながるものと思われる。
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