• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

化学物質過敏症患者の生活回復――論争中の病としての環境病

研究課題

研究課題/領域番号 18K12932
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分08010:社会学関連
研究機関高崎経済大学

研究代表者

宇田 和子  高崎経済大学, 地域政策学部, 准教授 (90733551)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
研究課題ステータス 完了 (2020年度)
配分額 *注記
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワード化学物質過敏症 / 論争中の病 / 環境病 / 電磁波過敏症 / 診断 / contested illness / 生活回復 / 環境過敏症 / 論争中の病い / 環境リスク管理 / 環境リスク / 知られざる病 / contested illnesses / 医療社会学 / 環境社会学
研究成果の概要

本研究では、化学物質過敏症患者が抱える生活上の困難を解明するために、各地で関係者に聞き取り調査を行った。その結果、以下が明らかになった。第一に、医学的にも社会学的にもCSは疾患にあたらないため、「患者」ではなく「発症者」と呼ぶのが適切である。第二に、発症者は社会からの逸脱回避と化学物質からの暴露回避の双方を達成するために、CSよりも認知度が高く正統性を認められている病名を説明に用いるという戦略を採っている。第三に、CSは論争中の病と環境病という二つの病の性質を併せ持つため、周囲から理解されにくい病であるにもかかわらず、発症者は常に病について説明することを求められるというジレンマが生じている。

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究成果の学術的意義は、環境社会学と保健医療社会学が生成してきた病に関する概念を用いることで、CSの社会的特徴を解明したことである。これは、これまで棲み分けを行ってきた二つの連字符社会学を、CSという一つの病いによって架橋しようとしたとも言える。
その社会的意義は、CS発症者が日常的に他者との間で経験する困難さが、なにゆえもたらされるのかを明らかにしたことである。周囲の者が発症者の症状を肩代わりすることはできないが、他者への説明や交渉を代わりに行うことはできる。CS発症者の生活回復は、単に症状の軽減だけでなく、そうしたコミュニケーションの仲介によっても行われうることを示した。

報告書

(4件)
  • 2020 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2019 実施状況報告書
  • 2018 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2018-04-23   更新日: 2022-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi