研究課題/領域番号 |
18K12944
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
仲野 由佳理 日本大学, 文理学部, 研究員 (90764829)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 受刑者処遇 / ジェンダー / 質的研究 / 立ち直り支援 / 家族関係 / 刑務所 / 犯罪者処遇 / ナラティヴ / 矯正教育 / 立ち直り / 質的調査 |
研究成果の概要 |
本研究は、女性受刑者の処遇・立ち直りとフェミニズムの関連について総合的な考察を行うために、2つの女子刑務所における処遇プログラムの参与観察、インタビュー調査と、X支援団体の協力を得て出所者調査を行った。その結果、女性が犯罪に至る過程には、虐待・DV、貧困、孤立・孤独、就労構造からの排除が影響すること、そして刑務所の処遇プログラムは、中断された家族に対する役割の回復と、再犯リスクを回避して生活するために「複数のタスクに応答可能な身体への変容」を促進することがわかった。出所者に対する支援は、犯罪歴の有無や各支援制度や手続きの不連続性に阻まれ、連携が困難となる可能性があることを指摘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的・社会的意義は、女子受刑者の施設内処遇や、指導者と受刑者の相互作用を経験的データを用いて分析・考察した数少ない調査研究という点にある。また、1990年代以降、受刑者処遇に関するプログラムの基礎理論として確立されたRNRモデル(リスク・ニード・応答モデル)の日本における展開について、男女の別による効果の違いやジェンダー格差の根強い日本社会への復帰に効果的であるのかなど、十分に検証されてこなかった点を考察した意味は大きい。特に、「家族」に対する伝統的な性別役割意識が、立ち直り・更生支援の核となるはずの「家族」を「再犯リスクを高める要因」へ転じてしまう可能性を示唆した点は重要である。
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