研究課題/領域番号 |
18K12954
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 成蹊大学 (2019-2023) 同志社大学 (2018) |
研究代表者 |
金 善美 成蹊大学, 文学部, 准教授 (30803184)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 都市 / 東京 / インナーエリア / 下町 / 地域社会 / 再開発 / ジェントリフィケーション / 脱工業化 / 観光 / 清澄白河 / スカイツリー / 商店街 / コミュニティ / 都市再生 / 文化 / 都市空間 |
研究成果の概要 |
本研究では、脱工業化・グローバル化の下で進む東京の都市空間の再編過程の解明を試みた。3つの調査対象地(墨田区押上、江東区清澄白河、江戸川区小岩)の分析からは、次の3点が分かった。第一に、2000年代以降の都心回帰の結果、物理的には街並みの更新と過密解消、社会的には中産階級の流入および地域社会の多元化が進んだ。第二に、しかし記号・イメージとしての「下町」は完全に消え去ったのではなく、地域活性化や観光地化の文脈において部分的にその意味を更新しながら用いられていた。第三に、ジェントリフィケーションの進行という意味では、3地点の間でも、またそれぞれの地点の内部においても町丁目レベルで差が見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、東京インナーエリアを対象とする都市研究の流れを踏まえ、研究史上の空白を部分的に埋めた点にある。本研究では2000年代以降、東京下町が既存の「産業地域社会」(竹内敦彦『技術集団と産業地域社会』1983)的特性を記号的には残しつつもその社会経済的性格に大きな変化が見られる点を指摘した。また、こうした変化をジェントリフィケーションというグローバルな都市現象と接続させ、より普遍的な都市研究の文脈の中に位置づけた。一方、社会的意義は、「昭和ノスタルジー」などメディアが作り出すイメージが先行しがちな下町論に対して、具体的な地域社会における現地調査から下町の変貌を解明した点にある。
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