研究課題/領域番号 |
18K13051
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
本所 恵 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (80632835)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 高校教育 / スウェーデン / イントロダクション・プログラム / 個別化 / 学習支援 / 教育の質向上 / 学習権保障 / カリキュラム / カリキュラム個別化 / 後期中等教育 / 低学力 |
研究実績の概要 |
今年度は現地に渡航して、イントロダクション・プログラムおよびその他高校プログラムにおける学習支援に関する調査、資料収集、イントロダクション・プログラムの質向上のネットワーク構築担当者へのインタビューを行うことができた。 ウプサラ市では、高校で不合格の科目があった生徒向けに、長期休暇を利用して補習を行っていた。進級・進学のタイミングである夏季休暇の補習では、4週間の学習を経て最終試験に合格すれば、その科目は所属校で正式な合格として認められる。履修者の6割ほどは合格の成績を得ており、市の高校修了率の向上につながっている。特別な教育方法があるわけではないが、通常の学校と異なる特徴として、小さいクラス規模、一度に学習する科目の少なさ、生徒の到達度の均質性、時間を急かないことがある。特に重要なのは、教師が生徒は合格できると信じていて、生徒自身もそう信じることだという。学期中には、放課後の学習支援や土曜日の補習授業が行われており、多様な形で学習支援が行われていた。イントロダクション・プログラムの充実とともに、他のプログラムの生徒たちへの学力保証も広がっていることがわかった。こうした学習支援もイントロダクション・プログラムも、すべての若者たちを将来の就職・就学につなぎ、社会参加を保障するセーフティーネットであるといえる。高校教育は義務ではないが、高校に通わなくても同年代の若者は、居住する自治体から必ず何らかの活動が提供されていた(コミューンによる若者への活動提供義務:KAA)。こうした取り組みを含めて考えると、多様な学習支援は、社会的なウェルビーイングの視点から、包括的で個別的な若者政策として特徴付けられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
渡航によって現地調査が実施でき、イントロダクション・プログラムの動向に加えて、その他プログラムの生徒への学力保障策・学習支援の広がりについて明らかにできた。
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今後の研究の推進方策 |
研究のまとめとして、以下の2点を行う。 (1)学力保障の取り組みを、関連する政策とともに把握し、社会的なウェルビーイングの視点から意義づける。 (2)歴史を踏まえて、イントロダクション・プログラムの発展についてまとめる。
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