研究課題/領域番号 |
18K13057
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
杉原 薫 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (60610897)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ドイツ / 児童保護 / 虐待 / 貧困 / 教育史 / 女性史 / 社会福祉 |
研究成果の概要 |
本研究では第一に、1907年にドイツのベルリンに開設された「ドイツ児童保護センター」によって保護の対象と見なされた子どもたちは、虐待やネグレクトの被害者であったり、貧困や病気、障害などによって苦しい生活を強いられていたことが明らかとなった。ただし、同センターは、こうした子どもたちを直接的に保護する役割を果たしていたわけでなく、保護を必要とする子どもたちを選別し、適切な保護団体へとつなぐ役割を果たしていた。 第二に、同センターは、児童保護事業の主な担い手である民間慈善団体や地方行政機関、医療機関(精神医学)と連携を取りながら、児童保護事業を牽引する機能を担っていたことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの児童福祉史研究では「ドイツ児童保護センター」が児童保護事業の中で重要な役割を果たしてきたことは指摘されていたが、その具体的な活動内容には目が向けられてこなかった。そうした研究状況の中で、本研究を通じて同センターの活動内容と役割を明らかにしたことにより、児童保護事業の成立期において児童保護事業が民間慈善団体による救済から公的社会事業への移行という性格変化を遂げつつあったことを示すことができた。 また、同センターが子どもの保護において、この時期に急激な発展を見た精神医学の知見を活用している様子を確認することができたことは、福祉と医療との関係性を考えるうえで注目に値するだろう。
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