研究課題/領域番号 |
18K13062
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
|
研究機関 | 岩手大学 (2020-2023) 東北女子大学 (2018-2019) |
研究代表者 |
本山 敬祐 岩手大学, 教育学部, 准教授 (50737640)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | 越境学習 / 学びの多様化学校 / 不登校特例校 / フリースクール / 職業的社会化 / フィールドワーク / 実践知 / 公費助成 / 運営費補助 / 監査 / 教育機会確保法 / 財政支援 / 教員の熟達 / 不登校 / フリースクール等 / 運営費補助事業 / 日本国憲法89条 / 公の支配 / 境界連結 |
研究実績の概要 |
今年度の研究実績として、(1)本研究課題における分析概念の整理、(2)公立学びの多様化学校(不登校特例校)におけるフィールドワークの実施、(3)教員及び教員志望者によるフリ―スクールへの越境学習について資料の収集及び実践的な試行に取り組んだことがあげられる。 (1)本研究課題における分析概念の整理に関して、学校教育と多様な学びの場との連携や学校教育の弾力化の過程に不可欠な要素として、越境学習について文献調査を行った。越境学習では「ホーム」と「アウェイ」を行き来する際に生じる葛藤が原動力となるとされる。異動前までの一般的な学校という「ホーム」で培われた教職観やアイデンティティの調整を理解する上で、学びの多様化学校へ異動した教員の経験を越境学習の観点から分析する妥当性が見出される。 (2)学びの多様化学校におけるフィールドワークについては、私事都合により一定期間の空白を余儀なくされたが、月に1回程度訪問調査を行った。年度末には教職員を対象としたアンケート調査を実施し、学びの多様化学校での勤務に関する手応えや充実感、異動前までの教職経験で身につけた「学校らしさ」にいかに折り合いをつけたのか、教職員同士の学び合いを支える学びの多様化学校独自のシステムについて示唆を得た。 (3)教員及び教員志望者によるフリ―スクールへの越境学習に関する資料収集について、フリースクールへの長期派遣研修を実施している自治体にから研修成果に関する文書を入手した。また、所属機関の近隣に所在するフリースクールと連携し、教職志望の学部学生がフリースクールにおいて一定期間体験的な学びを得る機会を設けた。多様な学びの場での体験的な学習を通じて、学部学生は教職への意欲が低下したわけではなく、自身の教育経験を相対化し、教職に就いた際に不登校児童生徒及び保護者に対する適切な理解や支援に活かそうとする観点から学びを得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
現在はコロナ禍によって休止を余儀なくされた調査に取り組んでいるため、当初の計画よりは遅れていると評価せざるを得ない。ただし、当初の予定では得られなかった学びの多様化学校における調査の機会を得られたことから、最終年度として本研究課題の遂行に努めたい。
|
今後の研究の推進方策 |
昨年度の実績を踏まえて、越境学習という観点から学びの多様化学校へのフィールドワークを継続するとともに、フリースクールへの長期派遣研修に参加した教職員への聞き取りを行う。 不登校児童生徒数が年々増加するなか、「学校らしくない学校」や学校外の子どもの居場所での勤務や研修を経験した教員の語りを通じて、学校教育システムのどこを・どのように変えることで子どもにとっても教職員にとっても居場所となる学校教育が実現できるかを検討する。
|