研究課題/領域番号 |
18K13072
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 都留文科大学 |
研究代表者 |
瓦林 亜希子 都留文科大学, 教養学部, 准教授 (10780249)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | フレネ教育 / 子ども主体 / アクティブラーニング / 幼児教育 / フランス / 興味・関心から出発する学び / 自己表現 / 学習者主体 / 批判的思考 / アクティブ・ラーニング / 生活綴方 / 日仏共同研究 / 協働的な学び / フレネ / 幼児教育・初等教育 |
研究実績の概要 |
2022年度は、延長2回目の五年目として、10月に仏ロレーヌ大学でのシンポジウムでの発表の機会に、日仏における子どもの自由な表現活動を尊重する教育の歴史と意義について、本研究の総まとめの意味も込めて発表を行うことができた。さらに11月には、仏トゥールーズ大学の日本教育研究者:クリスチャン・ギャラン先生を1ヶ月間都留に招聘し、「日仏の比較教育における効果的な受容と伝達について」と題した講演をして頂いた。近代以降の日仏間の比較教育における翻訳が生む語弊と、それを如何に乗り越えて行くかに関して、ご自身のフランス教育省と日本の文科省を通じたお仕事の経験等をもとにお話しくださり、大変興味深い内容であった。この講演には、本学の多くの学生・教職員の方々の参加を得られたことは非常にありがたかった。またギャラン先生には、都留滞在の間に、瓦林ゼミへの参加、院生との懇談、教育原理等の他学科授業への参加など、学生との交流も複数回に渡って行って下さった。その際、日仏の教育制度、教員養成制度の違いや、近来教育成立の歴史の日仏の特徴の違いなど、多くの有意義なお話をして頂いたことは、私自身の研究にとってはもちろんのこと、学生たちにとってとても貴重な国際交流の機会ともなったと考えている。加えて、コロナ禍における規制緩和により、以下の学校・学級を訪問できた。生活教育を軸に独自のカリキュラムのもと教育を行っている①②「私立和光小学校」(世田谷と鶴川)、作文を中心に子どもの自己表現を尊重する教育を推進する③「私立桐朋小学校」(調布)、新教育学者ニイルやデューイの思想を元に体験学習を軸とした独自の教育を行う④「きのくに子どもの村学園小中学校」(和歌山)、最後に仏トゥールーズ市でフレネ教育を含むあらゆる新教育の思想を元に教育実践を行っている⑤私立ラプレリー幼稚園小中学校、以上の日仏で合計5校の学校を訪問した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度の研究計画として、上記で報告した事項に加え、1)南仏にてフレネ教育を実践してきた3人の先生方を日本に招聘し、都留市内の学校での生徒たちとの交流や大学でのフレネ教育実践に関する講演とゼミ等での研究交流、2)仏で販売されているフレネ教育の小学校用国算の学習教材の購入、を予定していたが、実現できなかった。理由として、1)については、新型コロナウイルス感染拡大による海外渡航の制限はこれまでよりも緩和されたものの、依然として多少の困難はあり、安全面等も含めフランスから一度に3人の先生を招聘するためには未だハードルが高かったこと。2)については、実際に10月にロレーヌ大でのシンポジウム登壇のために仏ナンシー市に行くことはできたが、滞在期間が短かったことや、フランス国内の郵便事情等の混乱もあり、学習材購入を叶えることはできなかった。来年度こそ上記2点は必ず実現したい。
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今後の研究の推進方策 |
来年2023年度は、研究の最終年度として、これまでにコロナ禍の中で実現できなかった研究について、いよいよ目処をつけることに専念したい。来年度はコロナをめぐる規制はいよいよ解除される予定のため、日とフランス両国のフレネ教育等の学習者主体の教育を行っている学校現場での調査を行いつつ、同時にその記録のまとめと論文化に着手する。特にフランス・トゥールーズ市内の私立学校で、幼小中と連続してフレネ教育を含めた新教育の教育思想をもとに独自の実践をしている私立ラプレリー幼稚園・小学校・中学校には、可能な限りまとまった期間の見学を果たし、フレネ教育を幼小中と連続して行なうことの意義について分析する。そして2023年秋以降に、本研究の成果と交流の締めくくりとして、南フランスでフレネ教育を小中高で行ってきた3人のフレネ教師たちを日本に招聘し、フランスでのフレネ教育実践の歴史と現状についての講演会と、都留市内の小中高の訪問と生徒たちとの交流を計画している。さらには、フランスのフレネ教育式教材会社で販売されているフレネ教育式の小学校用国語・算数の学習教材を一式を購入し、フレネ式個別化学習の実際の過程や具体的なカリキュラムについても分析し、論文化することを目標とする。
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