研究課題
若手研究
児童虐待・ネグレクト(マルトリートメント)に起因する反応性アタッチメント障害(RAD)と発達障害の判別を目的として、まずRAD児と定型発達(TD)児を対象に、脳MRI画像を中間表現型として用い比較検討した。RAD児では左側一次視覚野の灰白質容積が低下し、幼児期の被虐待経験と虐待併存数、ネグレクトが有意な影響を及ぼしていた。また、認知や感情調整に関連する脳梁・放線冠・前視床放線の白質微細構造が増加していた。さらに、被虐待児ではオキシトシン受容体遺伝子の特定領域のDNAメチル化が増加し、他者との愛着形成に重要とされる左前頭眼窩皮質の容積低下と関連して、その容積低下は子どもの愛着不安とも相関した。
虐待・ネグレクト(マルトリートメント)を受けて反応性アタッチメント障害を発症した子どもでは、情動や愛着に関連する脳部位の形態異常や幼児期に受けた虐待との関連が示唆された。これらの結果は、診断や評価に資する客観的なバイオマーカーが未確立である反応性アタッチメント障害の脳内メカニズムの理解や問題行動・臨床症状の理解に役立つ所見と考えられた。本研究成果は、子どもや青年の愛着関連障害と発達障害の判別および病態特徴に基づく治療・支援法の開発に貢献すると考えられる。
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