研究課題/領域番号 |
18K13211
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
菊池 由葵子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (90600700)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 社会的認知 / 顔 / ライブ呈示 / ASD |
研究実績の概要 |
自閉症者を対象とした社会的認知に関する研究では、実験刺激として写真や動画が呈示されることが多い。定型発達者では、写真や動画の呈示でも、他者の顔や視線などに対する選好が強く見られる。一方、対人コミュニケーションの困難を主徴とする自閉スペクトラム症者では、他者に対する選好が定型発達者にくらべると弱く、写真や動画が呈示されるさまざまな社会的認知課題において、定型発達者で見られるような特徴が見られないとされてきた。しかし、実際の人物と対面する実験(ライブ呈示)では、対面相手とのアイコンタクトにより、自閉症者においても定型発達者と同様に、写真呈示では見られないような注意の高まりなどが生じることが、これまでの本研究の成果により明らかになった。 本研究では、ライブ呈示による社会的認知課題の再検討として、アイトラッカーを用いた誤信念課題を実施し、学齢期の自閉症者と定型発達者を対象に、ライブ課題中の注視パターンを解析している。乳児研究では結果が一貫していないが、定型発達成人や児童では、ビデオ中の登場人物の誤信念にもとづいた予期的な注視パターンが見られるのに対し、自閉症者では、そのような予期的な注視パターンが見られないことが報告されている。本研究においても、ビデオ呈示条件では同様の結果を追認した。一方、ライブ呈示条件は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため対面実験が実施できず、参加者数の確保が難しいのが現状である。現時点での予備的な解析では、ライブ呈示条件では自閉症者も定型発達者と同様、対面相手が手を伸ばすはずの場所を予期して注視する可能性が示唆されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、対面実験が実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
対面実験を再開し、ライブ呈示条件の参加者数を確保する。
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