研究課題/領域番号 |
18K13236
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 同志社大学 (2022-2023) 高知工科大学 (2021) 大阪大学 (2018-2020) |
研究代表者 |
山口 洋介 同志社大学, 免許資格課程センター, 助教 (60769602)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 創造的思考 / 創造性 / 創造性教育 / アイデア生成 / 固着 / 創造的思考観 / デザイン思考 / 探求 / 拡散的思考 / 発想技法 / プロトコル分析 / 発話思考法 / タイピング思考法 / 思考プロセス |
研究実績の概要 |
創造的思考を阻害する要因として、固着が挙げられる。固着は無意識のうちに形成され、それ以外の異なる見方を難しくするため、探索される要素の多様性を減じ、結果として創造的なアイデアや成果が得られる可能性を低下させることにつながる可能性がある。本年度では特に、自己視点に対する固着の生成に着目した。例えば、意見文の産出の際に、自身の立場に合致する情報ばかりを言及しやすい傾向は、「マイサイドバイアス」として知られる。これは、表明される内容に関して立場によって偏りが見られるという現象であるが、表出・表現のレベルの問題というよりも、そもそも他の立場に注意が向けられにくく、十分に考えることができていないことに主たる原因があると想定される。加えて、こうした現象は、「賛成・反対」の二者択一のような状況に限らず、さまざまな選択肢が存在する状況でも同様に生じていることが想定される。つまり、自己視点が一種の固着として作用し、自身の有する信念や考えと異なる可能性については十分に検討が深められないまま、判断が下される傾向にあると考えられる。そこで、日常でよくある葛藤場面を題材として、自己視点への固着の生成について調査した。各自で考えさせた後に他者と共有させたところ、自身の認識や考えが必ずしも一般的ではなく、固着に陥っていたという気づきがもたらされることが確認された。そのうえで、なるべく他者の視点を理解しようと意識しながら交流するように促したところ、自己視点に対する固着の緩和が一定程度可能であることが示唆された。 また、創造性研究の動向に関するレビューを進めるとともに、1950年以降の心理学的研究を対象に、計量書誌学的なアプローチを用いた分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
関連する先行研究が徐々に増えてきているため、そうした知見を踏まえながら、創造的思考の認知過程に関するモデルの充実化を図っている。一方で、倫理審査および参加者募集を依頼する業者の選定等において予想よりも時間を要したため、実施計画期間を延長した。
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今後の研究の推進方策 |
創造的思考過程の個による傾向的差異に関して、文献およびデータ収集を通して調査・分析を進める。さらに、個に応じた教育的介入モデルのプロトタイプの精緻化を図ることを通して、創造的思考過程の個人差に関する知見の蓄積を図る。
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