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協同学習における認知と動機づけの相互作用プロセスの理解と促進

研究課題

研究課題/領域番号 18K13295
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分10020:教育心理学関連
研究機関名古屋大学

研究代表者

田中 瑛津子  名古屋大学, 教育発達科学研究科, 特任助教 (10754947)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード協同学習 / 異分野協働 / 興味の深まり / チームワーク / 日常場面の問題 / 動機づけ / 協働 / 理科授業 / 発話分析 / 認知と動機づけ / プロセスの理解 / 指導法の開発 / 深い学び
研究実績の概要

2つの実践研究を行なった。
1つは学部生を対象としたグループワーク中心の授業を行い、協同学習における課題や支援方法について検討するものである。グループに与えられた課題は、自分たちを取り巻く問題に注目し、それを解決するためのプロジェクト提案を行うことであった。チーム課題に取り組む前に、まず本研究で得られた知見等を踏まえたチームワークにおけるコツを伝えた。具体的には、付箋などを使って各人の考えを可視化すること、異なる意見を出す時・出た時には必ずその主張の理由に着目すること、拡散的思考と収束的思考の両方を使うことの3点である。チームメンバーたちは、付箋や大きな模造紙を活用しながら話し合いを進めていたが、複数の意見が出てきた時に、それらの意見を評価し、グループとしての決定をするというプロセスに困難を抱えている様子が度々見られた。追加の支援として、相手の意見に対する自分の考え(同意するのか、異論があるのか)を明確に伝えることや、グループとして決定した事柄について全員の認識を確認することなどが必要であることが示唆された。
もう一つは、大学院生を対象とした異分野の知識を集結してプロジェクト提案を行うことを目指す授業を通じ、複数の分野の専門家が協同する際の課題について検討するものである。グループとしての課題は、1つめの実験授業と同様で、自分たちを取り巻く問題に注目し、それを解決するためのプロジェクト提案を行うことであったが、その際にグループメンバーそれぞれの専門性を取り入れることが求められる。各メンバーそれぞれの専門をわかりやすい言葉で説明し合う活動や、各専門性を複数組み合わせて新しいアイディアを出す訓練などを取り入れたものの、提案されたプロジェクトは専門性が生かされたものではなかった。特にお互いの専門性を理解しあうプロセスに対し、より強い支援が必要であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究期間中の2回の出産とコロナ禍の影響で、申請時に予定していた中学校の教員との共同研究は実現しなかったものの、大学生および大学院生を対象とした実践的な研究を当該年度中に二つ実施することができた。
これまでに得られた知見をもとに、効果的な協同に向けた支援を行い、うまく機能した部分と、さらなる支援が必要な点について検討を行なった。
どちらの研究においても、対象者数は多くないため、量的なデータとして介入効果を示すことは難しいものの、協同のプロセスをより丁寧に観察でき、得られた示唆から次の研究課題を立てることができた。
具体的には、グループで異なる意見が出た時に、グループとしての決断をすることを支援する方法、また異なる専門性を持つグループメンバーが協働する時に、お互いの専門性についての理解を構築することをサポートする方法について、さらなる検討が必要であることがわかった。
これらの示唆は、次年度の研究の進展につながるものであると考える。

今後の研究の推進方策

2024年度が本研究の最終年となるため、まずは学会発表および論文として、研究成果をまとめる。
また、2023年度における実践研究で得られた示唆を踏まえ、グループで異なる意見が出た時に、グループとしての決断をすることを支援する方法、また異なる専門性を持つグループメンバーが協働する時に、お互いの専門性についての理解を構築することをサポートする方法のそれぞれについて検討・提案し、実験授業の形でその効果を検証する。

報告書

(6件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 2018 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 学習への興味を深める教育と視聴覚教材・ICTの活用2022

    • 著者名/発表者名
      田中瑛津子
    • 雑誌名

      視聴覚教育

      巻: 897 ページ: 2-3

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 理科授業における日常場面の問題の提示・協同的解決が理解と興味に与える影響ー中学生を対象とした実験授業による検討―2022

    • 著者名/発表者名
      田中瑛津子
    • 雑誌名

      教育心理学研究

      巻: 70

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Cultivation of science process skills by promoting effective collaboration and reflection.2019

    • 著者名/発表者名
      Uesaka Y., Shiba S., & Tanaka E.
    • 学会等名
      EARLI 2019
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 協同的な問題解決における効果的な説明と支援の可能性2019

    • 著者名/発表者名
      田中瑛津子
    • 学会等名
      日本教育心理学会第61回総会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書 2018 実施状況報告書
  • [学会発表] バックキャスティングによる研究と教育との橋渡しの可能性―理想と現実のギャップを解消するプロセスの事例紹介ー2019

    • 著者名/発表者名
      田中瑛津子・マナロエマニュエル・小山義徳・シェパードクリス
    • 学会等名
      日本教育心理学会第61回総会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] Cultivation of science process skills by promoting effective collaboration and reflection2019

    • 著者名/発表者名
      Tanaka E., Shiba S., & Uesaka Y.
    • 学会等名
      The 18th Biennial EARLI Conference
    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [図書] 教育心理学の実践ベース・アプローチ(第6章 教えあいを促す高校の学習法講座(深谷達史・田中瑛津子))2019

    • 著者名/発表者名
      市川 伸一
    • 総ページ数
      264
    • 出版者
      東京大学出版会
    • ISBN
      4130513451
    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書

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公開日: 2018-04-23   更新日: 2024-12-25  

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