研究課題/領域番号 |
18K13313
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吉田 沙蘭 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (70636331)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | がん / 思春期・若年成人 / 医療コミュニケーション / End-of -Life discussion / 終末期 / End-of-Life discussion / コミュニケーション |
研究実績の概要 |
近年がん患者に対し、終末期における治療や療養に関わる多様な意思決定を視野に入れ、病状や予後、治療目標等について、早期から話し合いを行うことの重要性が指摘されている。しかし当該領域の研究の多くは、がんの好発年齢である中年期から老年期の患者を対象としたものであり、小児・思春期・若年成人がん患者を対象とした研究は少ない。一方臨床現場においては、患者の年齢が低い場合に、終末期に関する話し合いに対して医療者の困難感が高い。そこで本研究では、思春期・若年成人患者との終末期に関する話し合いがもたらす影響を探索的に明らかにすることを目的とする。 令和5年度には、AYA世代のがん患者の治療に従事する医師を対象に「AYA患者とのEOLdに対する医師の意識に関する調査」を実施した。AYA世代の中でも特にコミュニケーションが難しいとされる15から24歳の患者に焦点をあて、その診療に従事する医療者18名(医師7名、看護師6名、社会福祉士3名、心理職2名)を対象としてインタビュー調査を実施した。当該世代の患者との間では、診療科や主治医の方針により、病状説明が一般成人と同等で行われる場合もあれば、根治不能であることの説明が差し控えられる場合もあることが明らかとなった。特に目の前の治療に対する前向きな姿勢を示すようなコミュニケーションと、不良な予後を伝えるコミュニケーションを共に行うことに難しさを経験する医療者が複数いた。一方で、十分な病状説明がなされていないために、患者のやりたいこと等を把握することに困難が生じたり、患者の気持ちを十分に十分に聴くことができなかったりする弊害も生じていた。患者とのコミュニケーションを促進するために、多職種による説明後のフォロー体制の充実や、患者の意向を聴きやすいシステムがあること、家族のケアを行う体制の充実などが挙げられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の感染拡大および研究代表者の産育休(令和4年8月から令和5年3月)に伴い、全体的な進捗に遅れが生じている。ただし令和5年度については概ね順調に研究が遂行された。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度に実施していたインタビュー調査を残り1施設実施予定である(6月まで)。インタビューの解析を行い(7から9月頃)、その結果をふまえて調査票を作成し、医療者を対象とした、AYA世代患者とのEnd-of-Life discussionの実態及びその促進・阻害要因を明らかにするためのアンケート調査を実施する(3月まで)。
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