研究課題/領域番号 |
18K13372
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
板口 典弘 静岡大学, 情報学部, 助教 (50706637)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 空書 / 指運動 / 書字 / 言語 / 視覚処理 / 視覚運動協調 / 運動 / 読字 / 認知 |
研究成果の概要 |
まず,高齢者においても指運動をすることで言語認知課題の成績が向上することを初めて実験的に示した。また,空書の課題促進効果は,年齢とMMSE得点とはほぼ相関しない一方で,教育歴とは強い負の相関がみられることも明らかにした。次に,脳損傷による言語能力低下(失語症)を有する感覚失語患者においても,空書の促進効果関係を存在することを初めて示した。この結果は特に,空書の促進効果は漢字の読み(音韻的側面)ではなく,字形の想起(視覚的側面)にのみ寄与することを示唆する結果であった。加えて,視覚と運動の相互作用として,短時間の学習でも視覚―運動の対応関係を可塑的に変化可能であることを実験的に示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた知見は,これまで代表者が提唱してきた空書の視覚処理促進仮説を支持するものである。さらに高齢者と失語症患者における空書実験は,年齢に関係なく指運動が認知課題成績を補助する機能を有することを示した点で社会的意義も大きい。また特に,教育歴と空書促進効果の間に負の相関が得られたことは,何らかの原因により認知能力が低下した者に対して,空書が有効な補助ツールとなることを示唆している。また,視覚―運動の対応関係の可塑的変化に関する知見は,比較的短時間の学習によって,これまでと全くことなる自動的・無意識的な運動反応が可能になることを示しており,スポーツやリハビリ分野に対するインパクトも大きい。
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