研究課題/領域番号 |
18K13422
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
|
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
足立 真訓 静岡大学, 理学部, 講師 (30708392)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | レビ平坦曲面 / 複素解析幾何 / 葉層構造論 / 多変数関数論 / 留数定理 / 円周への群作用 / 剛性 / 国際情報交換 / 正則接続 / 特性類の局所化 / ホッジ理論 / ポテンシャル論 / 対数接続 / 横断構造 / CR幾何学 / ソボレフ空間 |
研究実績の概要 |
我々は、2021年度のライプチヒ大学のJudith Brinkschulte氏との共同研究において、Brunellaの予想を肯定的に解決した。この研究においては正則接続の利用が鍵であった。この着想は、2020年度にポリテクニック・オー=ド=フランス大学のSeverine Biard氏と共同して行ったLevi平坦面の横断アフィン構造に関する研究の中で得たものであった。2022年度はこれら2つの研究結果を統一的に理解するため、正則接続に関する留数定理の研究を行った。その結果、ある一般形の留数定理を用いることで、これら2つの研究結果を統一的な形で再証明することに成功した。本研究成果は、Biard氏、Brinkschulte氏との共著論文として学術雑誌へ投稿するとともに、プレプリントサーバにおいて公開中である。なお、本研究を基課題とする国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))19KK0347による長期海外滞在を活用し研究連絡を行った。 また、青山学院大学の松田能文氏、立命館大学の野澤啓氏とともに、3次元Levi平坦多様体の典型例であるRiemann面上の平坦円周束に関して、そのEuler数に関するMilnor-Wood型不等式と松元型剛性定理の研究を行った。この問題は葉層構造論における古典的な問題であるが、今回、Levi平坦面に関するポテンシャル論的な研究で頻繁に用いられる調和測度・カレントの理論を応用してアプローチを図った。その結果、Burger、Iozzi、Wienhard による穴あきRiemann面におけるMilnor-Wood型不等式と松元型剛性定理の新証明を得ることができた。本研究成果は、松田氏、野澤氏との共著論文として学術雑誌へ投稿するとともに、プレプリントサーバにおいて公開中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度以降、双曲型井上曲面内のLevi平坦面を研究対象に切り替えたことで、Levi平坦面の横断アフィン構造・Brunella予想に関し研究成果が得られた。特に2022年度は、留数定理のある一般形を経由することで、Levi平坦面のこの種の問題群に対して、見通しのよい理解を得られた。また、もう一つの主要な研究対象である閉Riemann面上の平坦円周束に関しては、当初計画以来挑戦している問題群に対しては研究目標を達成できていないが、研究に用いてきた技術を活用することで、葉層構造論の古典的な問題に対し、新たな角度からの寄与ができた。全体としては、研究が順調に進展していると判断している。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度実施の国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))19KK0347による長期海外滞在中、滞在先の協力研究者との議論の中で、閉Riemann面上の平坦円周束に関して、新たな問題提起を得た。当初計画における問題と合わせ、閉Riemann面上の平坦円周束に関する研究に注力する。
|