研究課題/領域番号 |
18K13444
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
戍亥 隆恭 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (70814648)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 非相対論的極限 / 超相対論的極限 / 大域ダイナミクス / 非線形消散型波動方程式 / 非時間遅れ極限 / ストリッカーツ評価 / スケール不変 / 消散型波動方程式 / Strichartz評価 / 熱方程式 |
研究実績の概要 |
消散型波動方程式は、熱方程式を導く際に用いられるFourierの法則の代わりに時間遅れの効果を取り入れたCattaneoの法則を用いることで導かれる方程式である。前年度の研究において、この時間遅れをゼロにする極限によって、非線形消散型波動方程式の解が非線形熱方程式の解に収束することを示した。その方法を応用することで、時空ホワイトノイズを持つ2次元トーラス上の複素係数消散項を持つ非線形Klein--Gordon方程式に対して、非相対論的極限と超相対論的極限の収束について研究を行った。非相対論的極限とは光速cを無限大にする極限で、消散型波動方程式での非時間遅れ極限に対応している。(光速cの2乗が時間遅れの-1乗である。)超相対論的極限は消散項の前の係数を複素係数から実係数にする極限である。この研究により、物理学で知られていた極限操作を繰り込み法によって正当化することができた。 また、大域ダイナミクスの研究として、1次元空間上の非線形Schrodinger方程式の研究を行った。以前の研究により、奇関数解のみに制限した場合、大域ダイナミクスの閾値が通常の閾値よりも2倍大きくなることが示されていた。本研究では、その奇関数解の閾値ちょうどにおける大域ダイナミクスを明らかにした。通常の場合(解を制限しない場合)は閾値に非散乱大域解が現れる。一方で、奇関数という対称性を課すことで、そのような非散乱大域解が現れることはなく散乱か爆発かのいずれかの解の挙動のみが現れることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外出張から日本への帰国に関して制限があり共同研究者との対面での議論が進まなかったため計画以上の成果は得られなかった。しかし、オンラインサービスを活用することでそれなりの研究を行うことが出来たと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
規制が緩和されることになったため帰国後に共同研究者との対面での議論を行い、消散型波動方程式の大域ダイナミクスについての研究を進める。
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